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未治療の進行性淡明細胞型腎細胞がんに対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率36.4%を示す

[公開日] 2021.03.12[最終更新日] 2021.03.12

この記事の3つのポイント ・未治療の進行性淡明細胞型腎細胞がん患者が対象の第2相試験のコホート ・キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は36.4%、うち完全奏効率は3.6%であった

2021年2月2日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて未治療の進行性淡明細胞型/非淡明細胞型腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のMK-3475-427/KEYNOTE-427試験(NCT02853344)における進行性淡明細胞型腎細胞がんコホートの結果がDana-Farber/Harvard Cancer CenterのDavid F. McDermott氏らにより公表された。

本試験は、未治療の進行性淡明細胞型/非淡明細胞型腎細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を最大24ヶ月投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)などを検証したオープンラベルシングルアームの第2相試験である。なお、進行性淡明細胞型腎細胞がんコホートには110人の患者が登録されている。

本試験が開始された背景として、進行性淡明細胞型/非淡明細胞型腎細胞がんに対して有効性が確認されている免疫チェックポイント阻害薬は、抗PD-1抗体薬ニボルマブ+抗CTLA-4抗体薬イピリムマブ、抗PD-1抗体薬キイトルーダ+チロシンキナーゼ阻害剤アキシチニブ、抗PD-L1抗体薬アベルマブ+チロシンキナーゼ阻害剤アキシチニブなどである。しかしながら、これら治療法は併用療法であり、免疫チェックポイント阻害薬単剤療法での有用性が確認されていない。以上の背景より、未治療の進行性淡明細胞型腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の進行性淡明細胞型腎細胞がんコホートにおける結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は36.4%を示し、その奏効の内訳は完全奏効率(CR)3.6%(N=4人)、部分奏効率(PR)32.7%(N=36人)であった。また、病勢コントロール率(DCR)は58.2%(95%信頼区間:48.4~67.5%)を示した。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は18.9ヶ月(95%信頼区間:2.3~37.6ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は7.1ヶ月(95%信頼区間:5.6~11.0ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は未到達、12ヶ月全生存率(OS)88.2%、24ヶ月全生存率(OS)70.8%であった。

一方の安全性として、グレード3~5の治療関連有害事象(TRAE)発症率は30.0%の患者で確認され、主な治療関連有害事象(TRAE)は大腸炎、下痢であった。

以上のMK-3475-427/KEYNOTE-427試験における進行性淡明細胞型腎細胞がんコホートの結果よりDavid F. McDermott氏らは「未治療の進行性淡明細胞型腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、ファーストライン治療として有望な抗腫瘍効果を示し、既存の臨床試験で確認されているキイトルーダの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はありませんでした」と結論を述べている。

Open-Label, Single-Arm Phase II Study of Pembrolizumab Monotherapy as First-Line Therapy in Patients With Advanced Clear Cell Renal Cell Carcinoma(J Clin Oncol. 2021 Feb 2;JCO2002363. doi: 10.1200/JCO.20.02363.)
ニュース 腎臓がん NCT02853344

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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