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経口FGFR阻害剤E7090、FGFR2融合遺伝子陽性の切除不能胆道がんで希少疾病用医薬品の指定を取得

[公開日] 2021.02.24[最終更新日] 2021.02.24

2月22日、エーザイ株式会社は、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1/2/3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤であるE7090について、「FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がん」を予定される効果・効能として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されたと発表した。

胆道がんは5年生存率が約20%と予後不良の難治性がんであり、治療選択肢も限定的である。日本における胆道がんの患者数は3.2万人と推定され、そのうち15~30%を占める管内胆管がんのうち14%がFGFR2融合遺伝子陽性である。

E7090は国内で第1相臨床試験を実施し、厚生労働省よりFGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんに対する治療に対して先駆け審査指定制度の品目に指定されている。現在、日本と中国において第2相臨床試験(201試験)が進行中である。

GFR遺伝子変異は複数のがん種において変異が確認されており、がん細胞の増殖、生存、遊走、血管新生、薬剤耐性など重要な役割を持っていると報告されている。E7090はFGFR1/2/3を選択的に阻害することでFGFR遺伝子変異を有するがんにおいて新規の分子標的薬となる可能性が示唆されている。

エーザイはプレスリリースで「がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの『治癒』に向けた画期的な新薬創出をめざしています。E7090 によるがん治療の可能性を引き続き追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります」とコメントしている。

E7090とは E7090は線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1/2/3)に対して選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤。これまでのFGFR阻害剤と基本構造が異なり、FGFRに選択的に素早く強力に結合することで抗腫瘍効果を発現するとされている。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定制度とは オーファンドラッグ指定制度は、医療上、必要性が高いにも関わらず、患者数が少なく、研究開発が進まない医薬品等の開発を支援することを目的としている。対象患者が日本国内で5万人未満、代替する適切な医薬品または治療方法がないこと、既存の医薬品等と比較して著しく高い有効性または安全性が期待されること、対象疾病に対して当該医薬品等を使用する根拠があり、開発計画が妥当であることが医薬品医療機器等法第77条の2に基づく指定要件として定めれている。指定を受けることで優先審査や手数料の減額、助成金の交付などの優遇措置が受けられる。

参照元:
エーザイ株式会社 ニュースリリース
ニュース 胆道がん E7090

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