2月16日、中外製薬株式会社は、遺伝子変異解析プログラムである「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬ペミガチニブのFGFR2融合遺伝子陽性胆道がんに対するコンパニオン診断機能の追加承認を2月15日付で取得したと発表した。
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、米ファウンデーション・メディシン社が開発した次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。固形がんの組織から得られたDNAを解析し、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異を検出する。また、バイオマーカーとしてのマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出も可能。臨床の場では、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いられている。
今回の承認は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルを用いることで、ペミガチニブの効果がより期待できるFGFR2融合遺伝子陽性の局所進行または転移性胆道がんへの適応判定の補助することを目的としている。なお、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社が開発したペミガチニブは、FGFR2融合遺伝子陽性の局所進行または転移性胆管がんの治療薬として、2020年9月に厚生労働省に対して承認申請済みであり、同適応症に対して希少疾病用医薬品の指定も受けている。
中外製薬代表取締役社長 COOの奥田修氏は、プレスリリースで「このたびペミガチニブの胆道がんに対するコンパニオン診断としてFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルが承認されたことを大変嬉しく思います。アンメットメディカルニーズの高いがん種に対して新たにコンパニオン診断機能が拡充されたことは、がん治療における包括的がんゲノムプロファイリングの重要性を改めて示す証左となると考えています」と語るとともに、「ペミガチニブによる効果が期待できる患者さんに治療が届けられるよう、使用に向けた準備を進めてまいります」と述べている。
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルの対応遺伝子変異と医薬品一覧(下線部分が追加)
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)とは 腫瘍細胞の増殖や生存、移動、血管新生に重要な役割を担っており、FGFRにおける遺伝子変異の活性化や転座そして遺伝子増幅はさまざまながんの発達と密接に関連している。
参照元:中外製薬株式会社 ニュースリリース