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ホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がんに対するイブランス+ホルモン療法、カペシタビン単剤療法に比べて無増悪生存期間の延長を示さずAnnals of Oncologyより


  • [公開日]2021.01.26
  • [最終更新日]2021.01.22
この記事の3つのポイント
アロマターゼ阻害薬耐性のあるホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者が対象の第3相試験
・イブランス+ホルモン療法有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間7.4ヵ月であり、カペシタビン単剤群9.4ヵ月に対して統計学的有意な改善を示さなかった

2020年12月29日、医学誌『Annals of Oncology』にてアロマターゼ阻害薬耐性のあるホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者に対してCDK4/6阻害薬であるイブランス(一般名:パルボシクリブ、イブランス)+ホルモン療法の有効性、安全性をカペシタビン単剤療法と比較検証した第3相のPEARL試験(NCT02028507)の結果がInstituto de Investigación Sanitaria Gregorio MarañónのM. Martin氏らにより公表された。

PEARL試験とは、2つのコホートから構成され、アロマターゼ阻害薬耐性のあるホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者を28日1サイクルとしてイブランス125mg+エキセメスタン25mg(コホート1)/フルベストラント500mg(コホート2)併用療法を投与する群、またはカペシタビン単剤療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した多施設共同ランダム化の第3相試験である。

本試験が開始された背景として、イブランス+ホルモン療法はホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がんの標準治療である。しかしながら、第3相臨床試験にて、既存の標準治療である化学療法と有効性、安全性を比較検証した治療成績は存在しない。以上の背景より、アロマターゼ阻害薬耐性のあるホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者に対してイブランス+ホルモン療法の有効性・安全性が検証された。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はイブランス+フルベストラント併用群の7.5ヵ月(95%信頼区間:5.7~10.9ヵ月)に対してカペシタビン単剤群で10.0ヵ月(95%信頼区間:6.3~12.9ヵ月)、カペシタビン単剤群に比べてイブランス+フルベストラント併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを13%増加(HR:1.13、95%信頼区間:0.85-1.50、p=0.398)を示した。

一方コホート1とコホート2の患者全体の無増悪生存期間(PFS)中央値はイブランス+ホルモン療法群の7.4ヵ月(95%信頼区間:5.9~9.3ヵ月)に対し、カペシタビン単剤群で9.4ヵ月(95%信頼区間:7.5~11.3ヵ月)であり、カペシタビン単剤群に比べてイブランス+ホルモン療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを11%増加(HR:1.11、95%信頼区間:0.92-1.34、p=0.380)した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は下記の通りである。好中球減少症はイブランス+エキセメスタン併用群で57.4%、イブランス+フルベストラント併用群で55.7%、カペシタビン単剤群で5.5%、手足症候群はイブランス+エキセメスタン併用群で0%、イブランス+フルベストラント併用群で0%、カペシタビン単剤群で23.5%、下痢はイブランス+エキセメスタン併用群で1.3%、イブランス+フルベストラント併用群で1.3%、カペシタビン単剤群で7.6%。なお、カペシタビン単剤群に比べてイブランス+ホルモン療法群で良好なQOL生活の質)を示した。

以上のPEARL試験の結果よりM. Martin氏らは「ホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者さんに対するCDK4/6阻害薬イブランス+ホルモン療法は、カペシタビン単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しませんでした」と結論を述べている。

PALBOCICLIB PLUS ENDOCRINE THERAPY DOES NOT IMPROVE PFS OVER CAPECITABINE IN HR-POSITIVE, HER2-NEGATIVE AROMATASE INHIBITOR RESISTANT METASTATIC BREAST CANCER(Annals of Oncology; Published online 29 December 2020. DOI: https://doi.org/10.1016/j.annonc.2020.12.013.)

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