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肝細胞がんに対するファーストライン治療としてのテセントリク+アバスチン併用療法、全生存期間中央値19.2ヶ月を示す

[公開日] 2021.01.25[最終更新日] 2021.01.25

この記事の3つのポイント ・Child-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞がん患者が対象の第3相試験 ・1stライン治療としてのテセントリク+アバスチン併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・テセントリク+アバスチン併用群の全生存期間は19.2ヶ月であり、ソラフェニブ単剤群に対して死亡リスクを34%減少した

2021年1月21日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュのプレスリリースにて全身療法歴のないChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+アバスチン(一般名:ベバシズマブ、以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性をソラフェニブと比較することを目的とした第3相のIMbrave150試験(NCT03434379)のアップデート解析の結果が公表された。

IMbrave150試験とは、全身療法歴のないChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞がん患者(N=501人)に対して21日を1サイクルとして1日目にテセントリク1200mg+1日目にアバスチン15mg/kg併用療法を投与する群、または21日を1サイクルとして1~21日目にソラフェニブ400mg単剤療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを比較検証した多施設共同ランダム化非盲検の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値15.6ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はテセントリク+アバスチン併用群の19.2ヶ月(95%信頼区間:17.0–23.7ヶ月)に対してソラフェニブ単剤群で13.4ヶ月(95%信頼区間:11.4–16.9ヶ月)と、テセントリク+アバスチン併用群で死亡(OS)のリスクを34%(HR:0.66、95%信頼区間:0.52-0.85)減少した。

もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はテセントリク+アバスチン併用群の6.9ヶ月(95%信頼区間:5.7–8.6ヶ月)に対してソラフェニブ単剤群で4.3ヶ月(95%信頼区間:4.0–5.6ヶ月)、テセントリク+アバスチン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを35%(HR:0.65、95%信頼区間:0.53–0.81)減少した。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はテセントリク+アバスチン併用群の30%(95%信頼区間:25–35%)に対してソラフェニブ単剤群で11%(95%信頼区間:7–17%)を示した。また、奏効の内訳は、完全奏効率(CR)はテセントリク+アバスチン併用群の8%に対してソラフェニブ単剤群で1%未満、部分奏効率(PR)はテセントリク+アバスチン併用群の22%に対してソラフェニブ単剤群で11%、病勢安定率(SD)はテセントリク+アバスチン併用群の44%に対してソラフェニブ単剤群で43%を示した。

奏効持続期間(DOR)中央値はテセントリク+アバスチン併用群の24.0ヶ月(95%信頼区間:17.1ヶ月-未到達)に対してソラフェニブ単剤群で11.4ヶ月(95%信頼区間:6.7–16.1ヶ月)を示した。

以上のIMbrave150試験のアップデート解析の結果より、Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのLevi Garraway氏は「切除不能な肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+アバスチン併用療法は、既存の治療薬よりも優れた長期的な改善効果を示しました」と結論を述べている。

Roche to present updated data confirming Tecentriq in combination with Avastin substantially improves overall survival in people with the most common form of liver cancer(F. Hoffmann Newsroom)
ニュース 肝臓がん 切除不能肝細胞がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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