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転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫に対するファーストライン治療としてオプジーボ+ヤーボイ併用療法、12ヵ月全生存率51.9%を示す

[公開日] 2021.01.21[最終更新日] 2021.01.21

この記事の3つのポイント ・未治療の転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者が対象の第2相試験 ・オプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を検証 ・12ヵ月全生存率51.9%、24ヵ月全生存期間12.7ヵ月を示した

2021年1月8日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて未治療の転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のGEM-1402試験(NCT02626962)の結果がCatalan Institute of Cancer (ICO)のJosé María Piulats氏らにより公表された。

GEM-1402試験とは、未治療の転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者患者に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとしてオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg併用療法を4サイクル投与し、その後2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として12ヵ月全生存率(OS)、副次評価項目として24ヵ月での全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)などを検証したシングルアームの第2相試験である。

本試験が開始された背景として、肝切除不適応の転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫の治療選択肢は非常に限られている。以上の背景より、抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された52人の患者の年齢中央値は59歳(26-84歳)。進行度合いは肝臓(M1)78.8%、肝臓外(M1)56%、乳酸デヒドロゲナーゼ上昇32%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である12ヵ月全生存率(OS)は51.9%(95%信頼区間:38.3%-65.5%)を示した。また、副次評価項目である24ヵ月全生存期間(OS)中央値は12.7ヵ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は3.0ヵ月を示した。

以上のGEM-1402試験の結果よりJosé María Piulats氏らは「未治療の転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、過去の化学療法の治療成績に比べて全生存期間(OS)を緩やかに改善しました」と結論を述べている。

Nivolumab Plus Ipilimumab for Treatment-Naïve Metastatic Uveal Melanoma: An Open-Label, Multicenter, Phase II Trial by the Spanish Multidisciplinary Melanoma Group (GEM-1402)(J Clin Oncol. 2021 Jan 8;JCO2000550. doi: 10.1200/JCO.20.00550.)
ニュース NCT02626962

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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