再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するポラツズマブ ベドチン+ベネクレクスタ+リツキサン併用療法、完全寛解率29%を示す米国血液学会議(ASH 2020)


  • [公開日]2021.01.06
  • [最終更新日]2021.01.06
この記事の3つのポイント
・複数治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第1b/2相試験
・ポラツズマブ ベドチン+ベネクレクスタ+リツキサン併用療法の有効性安全性を検証
・完全寛解率29%、最良奏効率65%を示した

2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて複数治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対する抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブ ベドチン+BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)+リツキサン(一般名:リツキシマブ、以下リツキサン)併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2相のGO29833試験(NCT02611323)の結果がASST Papa Giovanni XXIIIのGiuseppe Gritti氏らにより公表された。

本試験は、複数治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対して21日を1サイクルとしてポラツズマブ ベドチン1.8mg/kg+ベネクレクスタ800mg+リツキサン375mg/m2併用療法を投与し、主要評価項目として完全寛解率(CR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)などを検証した多施設共同第1b/2相試験である。

本試験に登録された57人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は65歳。性別は男性49%。Ann Arbor分類による病期ステージIII/IVが84%。前治療歴中央値は3レジメン。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

重篤な有害事象(SAE)発症率は37%(N=21人)、グレード3~4の有害事象(AE)発症率は79%(N=45人)。最も多くの患者に確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は好中球減少症53%(N=30人)、感染症16%(N=9人)、貧血11%(N=6人)であった。

有効性評価可能であった48人における結果は下記の通りである。完全寛解率(CR)29%、最良奏効率(BOR)65%を示した。奏効持続期間(DOR)中央値は5.8ヵ月(95%信頼区間:3.4-6.7ヵ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は4.4ヵ月(95%信頼区間:3.0-7.1ヵ月)、全生存期間(OS)中央値は11.0ヵ月(95%信頼区間:6.7ヵ月-未到達)を示した。

以上のGO29833試験の結果よりGiuseppe Gritti氏らは「複数治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対する抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブ ベドチン+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ+リツキサン併用療法は期待のできる抗腫瘍効果を示しました。また、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルも一致しており、忍容性も良好でした」と結論を述べている。

Polatuzumab Vedotin Plus Venetoclax with Rituximab in Relapsed/Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma: Primary Efficacy Analysis of a Phase Ib/II Study(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 599)

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