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BTK阻害剤ベレキシブル、 再発・難治性の中枢神経系原発の薬剤として国内新発売

[公開日] 2020.05.20[最終更新日] 2020.05.20

2020年5月20日、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品工業)は、ブルトン型チロシンキナーゼ(以下、BTK)阻害剤であるチラブルチニブ塩酸塩「ベレキシブル(R)錠 80mg」(以下、ベレキシブル錠)について、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能又は効果で国内において新発売したことを発表した。

中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、初発時に病変が脳脊髄(眼を含む)に局在する悪性リンパ腫。

PCNSL患者が呈する徴候および症状は病変部位により異なり、局所神経障害、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがある。

現在、未治療PCNSL患者には高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法およびその後の全脳放射線療法が行われており、一部の患者集団で長期寛解するものの、多くの患者は再発に至る。

また、既存の薬物療法が奏効しない難治性患者も存在する。

再発又は難治性のPCNSL患者に対しては標準治療が確立されておらず、治療選択肢は限定的であり、新たな治療薬が望まれている1

ベレキシブル錠は、標準治療が確立していない再発又は難治性のPCNSL患者の治療薬として、世界で初めて承認されたBTK阻害剤となる。

日本におけるPCNSLの年間発症数は約980人と推定2,3されている。

1:脳腫瘍診療ガイドライン2019年版 2:Neurol Med Chir (Tokyo).2017;57(Supplement 1):9-102. 3:Jpn J Neurosurg VOL.24 NO.10 2015.10

なお、小野薬品工業は、2019年11月27日に「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」に対する効能又は効果に係る申請も行っている。

ベレキシブル錠について チラブルチニブ塩酸塩(商品名:ベレキシブル)錠は、小野薬品工業が創製した選択性の高い経口BTK阻害剤であり、国内においてB細胞腫瘍患者および自己免疫疾患患者を対象に開発を進めている。

B細胞受容体(以下、BCR)シグナル伝達は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関する中心的役割を担っており、特にB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)および慢性リンパ性白血病(CLL)では、BCRシグナル伝達経路が恒常的に活性化していることが知られている。

ベレキシブルはBCRの下流に位置するメディエーターであるBTKを阻害することから治療効果が期待されている。

小野薬品は、2014年12月に、日本、韓国、台湾、中国およびASEAN諸国以外の全世界におけるチラブルチニブ塩酸塩の開発・販売権を米国Gilead Sciences, Inc.に供与するライセンス(導出)契約を締結した。

参照元:
小野薬品工業株式会社ニュースリリース
ニュース 悪性リンパ腫 チラブルチニブ塩酸塩

中島 香織

広告業界、放送局業界、コンサート・舞台企画業界を経て1年間渡米留学。帰国後は、外資系企業に就業。イベントマネージャーとしてPR,マーケティング業務に携わる。がん情報サイト「オンコロ」では、主にイベント運営、Webサイトの更新、コラム投稿に従事。宣伝会議コピーライター養成講座修了、乳がん体験者コーディネーター(BEC)11期生。

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