・ROS1融合遺伝子は非小細胞肺がん患者の1~2%に発現が認めらる肺がん治療における重要なドライバー遺伝子の1つ
2020年2月21日、中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤であるエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク )に関し、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の適応拡大の承認を、厚生労働省より取得したことを発表した。
今回の承認は、主にオープンラベル多施設国際共同第2相臨床試験であるSTARTRK-2試験の成績に基づいている。
有効性評価はSTARTRK-2試験のROS1融合遺伝子陽性のNSCLCコホート、安全性評価はSTARTRK-2試験に加え、海外で実施した2つの第1相臨床試験(STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいている。
なお、ロズリートレクの「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応判定は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによって行う。
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルのコンパニオン診断機能の追加については、2019年12月25日に厚生労働省より承認を取得している。
ロズリートレクについて ロズリートレクは、c-rosがん遺伝子1(ROS1)および神経栄養因子受容体(TRK)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤。ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制する。
2019年6月18日、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」への効能又は効果で承認を取得し、同年9月4日に発売された。
参考 FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、ロズリートレクのROS1肺がんのコンパニオン診断として承認を取得(2019年12月26日プレスリリース) ロシュ社が開発中のentrectinibはROS1陽性の肺がん患者さんに対し2年以上にわたる持続的な効果を示した(2018年9月24日 プレスリリース)参照元:
中外製薬ニュースリリース