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複数治療歴のある進行性肛門扁平上皮がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率11.6%を示す

[公開日] 2020.02.10[最終更新日] 2020.02.10

この記事の3つのポイント ・MSI-HまたはdMMRがある未治療転移性大腸がん患者が対象の第2相試験
・オプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は60%を示し、65歳未満では64%、65歳以上では57%だった

2020年1月23日(木)~25日(土)に米国・サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(2020 Gastrointestinal Cancers Symposium)にて、治療歴のある進行性肛門扁平上皮がん(ASCC)患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-158試験(NCT02628067)の結果がGustave RoussyのAurelien Marabelle氏らにより公表された。

KEYNOTE-158試験とは、治療歴のある進行性肛門扁平上皮がん(ASCC)患者(N=112人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を病勢進行または良きせぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第2相試験である。

同試験が開始された背景として、進行性肛門扁平上皮がん(ASCC)の2次治療以降の治療選択肢は非常に限られており、新たな治療方法の開発が必要とされている。第1b相のKEYNOTE-028試験にて、進行性肛門扁平上皮がん(ASCC)に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダは良好な抗腫瘍効果を示したために同試験が開始された。

同試験のフォローアップ期間中央値12.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は11.6%(95%信頼区間:6.3–19.0%)を示した。また、副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は未到達(95%信頼区間:6.0~29.1ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は12.0ヶ月(95%信頼区間:9.1–15.4ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.0ヶ月(95%信頼区間:2.0–2.1ヶ月)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は60.7%(N=68人)、グレード3~5の治療関連有害事象(TRAE)発症率は18.8%(N=21人)を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡率は0%、治療関連有害事象(TRAE)により治療中止率は3.6%(N=4人)を示した。

以上のKEYNOTE-158試験の結果よりAurelien Marabelle氏らは以下のように結論を述べている。”複数治療歴のある進行性肛門扁平上皮がん(ASCC)患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。”

Pembrolizumab for advanced anal squamous cell carcinoma (ASCC): Results from the multicohort, phase II KEYNOTE-158 study.(J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 1))
ニュース 大腸がん 肛門扁平上皮がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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