HER2過剰発現胃がん患者を対象としたトラスツズマブ デルクステカンの第2相臨床試験の結果概要を発表-第一三共株式会社-


  • [公開日]2020.01.27
  • [最終更新日]2020.01.27

2020年1月27日、第一三共株式会社とアストラゼネカは、HER2過剰発現再発・進行性胃がん患者を対象としたトラスツズマブ デルクステカン、HER2に対する抗体薬物複合体ADC*1(DS-8201)の第2相臨床試験(試験名:DESTINY-Gastric01)において、主要評価項目を達成したことを発表した。

DESTINY-Gastric01試験は、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2過剰発現の再発・進行性胃がん患者または胃食道接合部腺がん患者189名を対象とした日本および韓国における第2相臨床試験。

同試験の主要評価項目である客観的奏効率*2および副次評価項目である全生存期間*3において、同剤投与群は治験医師選択薬投与群に対し統計学的に有意かつ臨床的意義の高い改善を示した。また、同試験において安全性上の新たな懸念は認められなかった。なお、同試験結果の詳細は、今後、学会にて公表する予定としている。

同剤は、厚生労働省よりがん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する治療として、先駆け審査指定*4を受けている。

*1抗体薬物複合体(ADC)とは

抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めている。

*2客観的奏効率とは

腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合。

*3全生存期間とは

原因を問わず死亡までの期間。なお、今回の全生存期間は中間解析である。

*4先駆け審査指定制度とは

世界に先駆けて革新的医薬品や医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つ。生命に重大な影響がある重篤な疾患などに対して極めて高い有効性が期待される医薬品や再生医療等製品等を指定し、国内の患者に世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指している。

開発早期の段階から一定の要件を満たす画期的な新薬等が指定され、薬事承認に係る相談・審査において優先的な取扱いがなされることとなっている。

参照元:
第一三共株式会社ニュースリリース

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