2020年1月15日(現地時間)、ブリストル・マイヤーズスクイブ社(本社:米国)は、米国食品医薬品局(FDA)が、EGFRやALK遺伝子変異陰性の進行または再発の非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療薬として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ 以下、オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ 以下、ヤーボイ)の併用療法の生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を優先審査の対象として受理したことを発表した。
FDAは、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく同申請の審査終了の目標期日を2020年5月15日に定めた。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)氏は、次のように述べている。
「オプジーボとヤーボイの併用療法の申請がFDAにより受理されたことは、近年、治療法が進歩しているものの、肺がんが依然として毎年15万人以上の死亡の原因となっている米国の肺がん患者さんにとって重要なマイルストーンとなります。肺がんは、オプジーボとヤーボイの併用療法が無作為化第3相試験で有意な長期生存ベネフィットを示した3つ目のがん腫であり、同試験は、がん免疫療法薬の2剤併用療法に対するさらなる免疫学的根拠を示すものです」
今回の申請は、未治療のNSCLC患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法を比較評価した第3相CheckMate-227試験のPart 1のデータに基づいている。
同試験において、免疫療法薬の併用療法は、化学療法と比較して、全生存期間の有意な改善を示した。
なお、オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
CheckMate-227試験についてCheckMate-227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にかかわらず、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した複数のパートで構成された非盲検第3相臨床試験。
•Part 1:
・Part 1a:PD-L1 陽性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を化学療法と比較評価。
・Part 1b:PD-L1 陰性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。
•Part 2:
PD-L1の発現率にかかわらず、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。Part 1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較評価)について、2つの主要評価項目を設定した。1つは、PD-L1陽性患者における全生存期間(OS)(Part 1aに組み入れられた患者で評価)、もう1つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/Mb)以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part 1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)。
Part 1では、主要評価項目であるPFS(PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10mut/Mb以上)の患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法を比較)およびOS(PD-L1発現率が1%以上のファーストラインのNSCLC患者で、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、優れたベネフィットを示した)の両方を達成した。
Part 2では、非扁平上皮NSCLC患者において、オプジーボと化学療法の併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目であるOSを達成しなかった。
参照元:小野薬品工業株式会社ニュースリリース