乳がん治療薬ENHERTU(エンハーツ)、2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移性乳がんの適応で米国にて新発売ー第一三共株式会社ー


  • [公開日]2020.01.07
  • [最終更新日]2020.01.07

2019年1月7日、第一三共株式会社は、トラスツズマブ デルクステカンHER2に対する抗体薬物複合体ADC*1、以下「本剤」)(商品名:ENHERTU(エンハーツ*2を米国において新発売したことを発表した。

本剤は、「転移性の乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移性乳がん」を適応として、2019年12月20日に米国食品医薬品局(FDA)より販売承認*3を取得している。

第一三共はプレスリリースにて、「当社は、本剤を通じて、がん治療における新たな選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待しております」と述べている。

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めている。
*2 ENHERTUの参考字訳:エンハーツ
*3 本適応での承認取得は条件付きであり、HER2陽性の再発・転移性乳がんを対象とした第3相臨床試験における臨床的有用性の検証が必要となる。

HER2陽性乳がんについて
乳がんは、世界において2018年に約210万人/年の新規患者が報告されており、女性において主要ながん死亡原因となっている。

乳がん患者の約20%は、がん細胞表面にHER2というタンパク質が過剰発現しているHER2陽性乳がん。

抗HER2療法の登場によりHER2陽性乳がん患者の生存率は改善しているが、既存薬による治療後に再発・転移したHER2陽性乳がんにおいては治療の選択肢が限られており、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズがある。

参照元:
第一三共株式会社ニュースリリース

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