【4/3(金)開催 希少がんセミナー『脳腫瘍~小児から成人~』申込み受付中!】

パージェタ/ハーセプチンの固定用量配合皮下注製剤、HER2陽性乳がんで両剤の静注製剤に対する血中濃度非劣性を示す


  • [公開日]2019.12.19
  • [最終更新日]2019.12.19
この記事の3つのポイント
・静注時の数時間と比較して投与時間を短縮できる固定用量のパージェタとハーセプチンの配合皮下注製剤
・第3相臨床試験のFeDeriCa試験で、薬物動態における非劣性が示され、有効性および安全性は同等だった
・試験成績は、米国食品医薬品局および欧州医薬品庁を含む各国の保健当局に提出予定

2019年12月19日、中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下、ロシュ社)が12月12日に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として発表。臨床開発中のペルツズマブ(商品名:パージェタ)とトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)の固定用量による配合皮下注製剤について、第3相臨床試験FeDeriCa試験の新たな成績を発表した。

同試験では、固定用量の配合皮下注製剤と静注化学療法との併用により、静注製剤によるパージェタに対する血中濃度(薬物動態)の非劣性が示され、静注製剤によるハーセプチン、パージェタおよび化学療法に対する有効性および安全性は同等であった1)。

固定用量の配合皮下注製剤の投与には、初回は約8分、2回目以降は約5分を要する。これに対し、パージェタとハーセプチンの静注製剤を併用する場合、初回は約150分、2回目以降は60~150分を要する2, 3, 4

FeDeriCa試験では、主要評価項目を達成し、固定用量の配合皮下注製剤は、パージェタの静注製剤を所定の間隔で投与した際のパージェタの最低血中濃度(Ctrough)に対し非劣性を示した。

主要評価項目であるgeometric mean ratio(GMR:薬物動態を評価する際に使用される平均値の比率)は1.22(90%CI: 1.14~1.31)であり、GMRの90%CIの下限1.14は、事前に規定された非劣性マージンである0.80を超えていた。

また、副次評価項目であるハーセプチンのCtroughについては、固定用量の配合皮下注製剤投与群の血中濃度は、ハーセプチンの静注製剤投与群に対し非劣性を達成した[GMR=1.33(90%CI: 1.24~1.43)、90%CIの下限1.24は非劣性マージンである0.80を上回った]。

標準的な静注時と比較して、同じ投与間隔で患者がパージェタとハーセプチンに十分に曝露されていることを確認するため、非劣性の評価項目が用いられた。

さらに、副次評価項目である病理学的完全奏効(pCR)の割合は両群間で同等であり、固定用量の配合皮下注製剤投与群では59.7%、静注のパージェタとハーセプチン投与群では59.5%で、その差は0.15%(95%CI:-8.67~8.97)であった1

固定用量の配合皮下注製剤と化学療法の併用時の安全性プロファイルは、静注のパージェタとハーセプチンおよび化学療法の併用時と同等であり、新たな安全性のシグナルは認められず、心毒性に意味のある差は認められなかった。両群とも最も一般的な有害事象は、脱毛、悪心、下痢、貧血であった1

なお、この試験成績は、米国食品医薬品局および欧州医薬品庁を含む各国の保健当局に提出予定としている。

FeDeriCa試験について5

FeDeriCa試験は、500名のHER2陽性早期乳がん患者において、術前および術後薬物療法として化学療法と併用したパージェタとハーセプチンの固定用量による配合皮下注製剤投与時の薬物動態、有効性および安全性を、化学療法と併用したパージェタとハーセプチンの静注製剤と比較検討した、多施設オープンラベルランダム化2群比較の国際共同第3相臨床試験を指す。

本試験の主要評価項目は、反復投与時のパージェタの最低血中濃度(Ctrough)。副次評価項目は安全性、反復投与時のハーセプチンの最低血中濃度(Ctrough)、摘出手術を実施した組織に腫瘍組織が検出されない病理学的完全奏効である。

出典
1.Tan A, et al. Subcutaneous administration of the fixed-dose combination of trastuzumab and pertuzumab in combination with chemotherapy in HER2-positive early breast cancer: primary analysis of the phase III, multicenter, randomized, open-label, two-arm FeDeriCa study. Presented at SABCS, 2019 Dec 10-14; San Antonio, Texas. Abstract #PD4-07
2.European Medicines Agency. Summary of Product Characteristics for Herceptin. [Internet; cited November 2019]
3.European Medicines Agency. Summary of Product Characteristics for Perjeta. [Internet; cited November 2019]
4.US Food and Drug Administration. Prescribing Information for Herceptin. [Internet; cited November 2019]
5.Clinical trials.gov. A Study to Evaluate the Pharmacokinetics, Efficacy, and Safety of Subcutaneous Administration of the Fixed-Dose Combination of Pertuzumab and Trastuzumab in Combination With Chemotherapy in Participants With HER2-Positive Early Breast Cancer. [Internet; cited November 2019]

参照元:
中外製薬株式会社ニュースリリース

×

この記事に利益相反はありません。