ファイザー社、ザーコリカプセル200mg/250mgの承認条件が解除ー日本人2,000例以上の臨床データを集積ー


  • [公開日]2019.12.11
  • [最終更新日]2019.12.11

2019年12月9日、ファイザー株式会社は、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)(「ザーコリカプセル200mg/250mg」)について、承認条件解除の通知を12月6日付けで厚生労働省より受領したことを発表した。

今回の承認条件解除は、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(以下、ALK肺がん)を対象とした使用成績調査(全例調査)が適切に実施され、弊社から厚生労働省に提出された報告対象症例日本人2,029例の集計結果(最終報告)に基づきザーコリの安全性有効性に関する情報が確認されたこと、同剤の適正使用に必要な安全対策の措置が講じられていることの判断のもと決定されたものである。

ザーコリは、2012年3月に「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として製造販売承認を取得。2017年5月には、「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する製造販売承認事項一部変更承認申請の承認を取得した。

前者に対しては、ザーコリを投与される患者の、緊急時に十分対応できる医療施設における全例調査への登録と、安全対策活動の実施が承認条件として義務付けられていた。後者に対しては、安全対策活動の実施が承認条件として義務付けられていた。

※ザーコリの効能又は効果は「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」及び「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」である。

承認条件の解除について

下記の判断がなされ、承認条件解除の通知を受領された。
■承認条件である製造販売後調査が適切に実施され、患者背景、安全性および有効性に係る情報が収集されていること
■収集された情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置が講じられていること
■追加のリスク最小化活動の「医薬品の使用条件の設定」により本剤の投与が適切な医師および医療機関のもとで行われるよう必要な措置が講じられていること

ザーコリのALK肺がんを対象とした特定使用成績調査(全例調査)について

概要
目的:ザーコリをより安全かつ適切に使用していただくため、製造販売後の使用実態下における安全性および有効性に関する情報を収集する
対象:ザーコリによる治療を受けたすべての患者

最終調査結果(全例調査の最終報告書より)
・調査票回収症例数:2,029例
2012年5月29日のザーコリ発売日から2014年12月4日までに投与開始した2,120例が登録され、未投与および調査票回収不能を除く2,096例の調査票を回収した。
さらに、転院症例を連結し、2,029例を調査対象症例として検討された。
・解析症例内訳:安全性解析対象症例=2,028例、有効性解析対象=1,633例

安全性について(全例調査の最終報告書より)
安全性解析対象2,028例中、副作用発現率は91.62%(1,858例)で、重篤な副作用発現率は25.54%(518例)であった。
主な副作用(5%以上に発現)の内訳は、悪心、下痢、光視症、嘔吐、味覚異常、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、肝機能異常、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、便秘、食欲減退、視力障害、血中クレアチニン増加、好中球数減少、肝障害、末梢性浮腫、白血球数減少、間質性肺疾患、血中アルカリホスファターゼ増加であった。

参照元:
ファイザー株式会社プレスリリース

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