PD-L1陽性の手術不能又は再発トリプルネガティブ乳がんの適応で至適用量製剤テセントリク点滴静注840mgを発売ー中外製薬


  • [公開日]2019.11.27
  • [最終更新日]2019.11.27

2019年11月27日、中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)モノクローナル抗体アテゾリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:テセントリク点滴静注840mg)が、同日薬価収載され、発売したことを発表した。

テセントリク840mg製剤は、2019年9月20日に承認を取得したPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんの適応に対する用法・用量となる2週間間隔投与に対する至適用量製剤である。

テセントリクは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するタンパク質であるPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤。PD-L1は、T細胞の表面上に発現しているPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害する。

テセントリクはこの結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。TNBCに対するテセントリクの有効性および安全性は、第3相臨床試験であるIMpassion130試験にて検討された。

IMpassion130試験について
IMpassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性TNBCの患者を対象に、テセントリクと化学療法パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]の併用と、化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]単独を比較し、有効性ならびに安全性、薬物動態を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同臨床試験である。

同試験の主要評価項目は主治医評価による無増悪生存期間PFS)と全生存期間OS)。両主要評価項目はITT解析集団およびPD-L1の発現が認められる患者において評価されている。

テセントリク840mg製剤薬価収載前の無償提供の終了について
中外製薬は、治療選択肢が極めて限られているPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんの治療法として、患者の緊急の要望に応えするために厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、2019年9月20日の製造販売承認の取得以降、薬価収載前日までに限定し、同剤の無償提供を行ってきた。今回の薬価収載に伴い、テセントリク840mg製剤の無償提供を終了したことを報告した。

添付文書情報

参照元:
中外製薬株式会社ニュースリリース

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