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テセントリクとアバスチンの併用療法、切除不能の肝細胞がん患者初回治療で全生存期間と無増悪生存期間を延長

[公開日] 2019.10.23[最終更新日] 2019.10.23

目次

第3相臨床試験「IMbrave150試験」の結果

2019年10月21日、中外製薬株式会社は、切除不能な肝細胞がん(HCC)患者の初回治療におけるアテゾリズマブ(商品名:テセントリク(R)、以下 テセントリク)とベバシズマブ(商品名:アバスチン(R)、以下 アバスチン)の併用療法について検討した第3相臨床試験であるIMbrave150試験の結果を発表した。 テセントリクとアバスチンの併用療法は、標準治療であるソラフェニブ単剤と比較し、本試験の主要評価項目であるOSおよびPFSのいずれにおいても統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。 また、テセントリクとアバスチンの併用における安全性は、これまでにそれぞれの薬剤で認められている安全性プロファイルと同様であり、本併用療法による新たな安全性上の懸念は示されなかった。IMbrave150試験の成績は、今後の医学系学会にて発表される予定。

IMbrave150試験について

IMbrave150試験は全身薬物療法を受けていない切除不能なHCC患者を対象とした多施設共同オープンラベルのランダム化第3相臨床試験を指す。本試験では、501名の患者が2:1の比で、テセントリクおよびアバスチン併用群とソラフェニブ単剤群のそれぞれに割り付けられた。 両群ともに薬剤の投与は、主治医判定により病勢進行または忍容できない毒性の出現のいずれかまで継続される。 主要評価項目はOSとRECIST v1.1に基づく中央判定によるPFS。 副次評価項目は、RECIST v1.1およびHCC mRECISTに基づく主治医判定によるORR(奏効率: objective response rate)、TTP(病勢進行までの期間: time to progression)およびDoR(奏効期間: duration of response)のほか、患者報告アウトカム、安全性および薬物動態である。

肝細胞がんについて

HCCは肝臓がんの90%以上を占めており、予後不良かつ治療選択肢が限られているため、世界でのがんによる死亡の主な原因となる。*1, *2 国内では、毎年約4万人が肝臓がんと診断され、死亡数は約2万8千人。*3HCCは主にB型またはC型肝炎による肝硬変もしくはアルコール性肝炎から進展し、がんに至る。*1 切除不能なHCCの予後は不良であり、全身薬物療法の選択肢は限られており、1年生存率は50%以下となる。*4 参考文献 *1Llovet J et al. Hepatocellular carcinoma. Nat Rev Dis Primers. 2016;2:16018. *2日本肝癌研究会.「第20回全国原発性肝癌追跡調査報告(2008~2009)」 肝臓 60巻8号258-293(2019) *3国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(2019年10月確認)https://ganjoho.jp/reg_stat/index.html *4Giannini G et al. Prognosis of untreated hepatocellular carcinoma. Hepatology. 2015;61(1):184-190.

参照元:中外製薬株式会社ニュースリリース

ニュース 肝臓がん 免疫チェックポイント阻害剤薬

中島 香織

広告業界、放送局業界、コンサート・舞台企画業界を経て1年間渡米留学。帰国後は、外資系企業に就業。イベントマネージャーとしてPR,マーケティング業務に携わる。がん情報サイト「オンコロ」では、主にイベント運営、Webサイトの更新、コラム投稿に従事。宣伝会議コピーライター養成講座修了、乳がん体験者コーディネーター(BEC)11期生。

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