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NTRK融合遺伝子陽性固形がん治療薬「ロズリートレク」発売-中外製薬

[公開日] 2019.09.12[最終更新日] 2019.09.12

2019年9月4日、中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を効能又は効果として製造販売承認を取得した抗悪性腫瘍剤/エヌトレクチニブ(商品名:チロシンキナーゼ阻害剤「ロズリートレク(R)カプセル100 mg、同200 mg」)(以下、ロズリートレク)について、薬価収載され販売を開始したことを発表した。

ロズリートレクは、中外製薬が目指す個別化医療の高度化の理念に沿う薬剤である。同剤は、極めて稀な遺伝子変異を伴う「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を対象に、厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、2019年6月18日、世界で初めての薬事承認を日本で取得した。

同剤はNTRK融合遺伝子陽性固形がんに対する本邦で初めての治療薬であり、成人・小児を問わず、がん種横断的な使用が認められている。海外では、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対し、米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定され、2019年8月15日に承認された。また、欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(PRIority MEdicines)に指定されている。

NTRK融合遺伝子の検出については、中外製薬が販売する遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne(R) CDx がんゲノムプロファイル」がロズリートレクのコンパニオン検査として、2019年6月26日に厚生労働省より承認を取得している。

FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、米国のファウンデーション・メディシン社が開発した、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。同プログラムは、患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行う。また、国内既承認の14の分子標的治療薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能である。

なお、中外製薬は9月6日、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルについて、ロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するコンパニオン診断機能追加に関する一部変更承認申請を、厚生労働省に行った。

今回の申請は、同プログラムにより次世代シークエンサーを用いてROS1融合遺伝子を検出することで、ロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性NSCLCの適応判定の補助を目的として行った。ROS1融合遺伝子は、何らかの原因によりROS1遺伝子と他の遺伝子(CD74など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子である。ROS1融合遺伝子から作られるROS1融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられている2。ROS1融合遺伝子は、NSCLC患者の約1~2%に認められ、その中でも腺がんでより多く発現している1,2

ロズリートレクについて ロズリートレクは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤。同剤は、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制する。海外において、ロズリートレクは米国食品医薬品局(FDA)よりNTRK融合遺伝子陽性の固形がん、およびROS1融合遺伝子陽性のNSCLCの治療薬として承認されている。また、欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(PRIority MEdicines)に指定されている。

なお、添付文書情報は以下の通り。

販売名
ロズリートレク カプセル100 mg
ロズリートレク カプセル200 mg

一般名称
エヌトレクチニブ

効能又は効果
NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん

用法及び用量
通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600 mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、小児にはエヌトレクチニブとして1日1回300 mg/m2(体表面積)を経口投与する。ただし、600 mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する。

承認日
2019年6月18日

薬価基準収載日
2019年9月4日

販売開始日
2019年9月4日

承認条件
1.医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

薬価
ロズリートレク カプセル100 mg 5,214.20円/1カプセル
ロズリートレク カプセル200 mg 9,889.90円/1カプセル

出典
1 Davies KD, Doebele RC. Clin Cancer Res. 2013;19(15):4040-4045.PMID: 23719267
2 Bergethon K, Shaw AT, Ou SH, et al. J Clin Oncol. 2012;30(8):863-870.PMID: 22215748

参照元:
2019年9月4日発行第一三共株式会社プレスリリース

2019年9月6日発行第一三共株式会社プレスリリース

ニュース 固形がん FoundationOne CDx

中島 香織

広告業界、放送局業界、コンサート・舞台企画業界を経て1年間渡米留学。帰国後は、外資系企業に就業。イベントマネージャーとしてPR,マーケティング業務に携わる。がん情報サイト「オンコロ」では、主にイベント運営、Webサイトの更新、コラム投稿に従事。宣伝会議コピーライター養成講座修了、乳がん体験者コーディネーター(BEC)11期生。

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