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チラブルチニブ 再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫に対する国内製造販売承認申請
[公開日] 2019.08.30[最終更新日] 2019.08.30
2019年8月28日、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)は、ブルトン型チロシンキナーゼ(以下、BTK)阻害剤 であるチラブルチニブ(商品名:チラブルチニブ塩酸塩(ONO-4059))(以下、チラブルチニブ)について、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(以下、PCNSL)」 を効能・効果に係る国内製造販売承認申請したことを、発表した。
今回の承認申請は、再発又は難治性のPCNSL患者44例を対象にチラブルチニブを1日1回、経口投与する多施設共同非盲検非対照第I/II相試験(ONO-4059-02)の結果に基づいている。
チラブルチニブは、2019年8月20日に、厚生労働省より「中枢神経系原発リンパ腫」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定された。
PCNSLは、初発時に病変が脳脊髄(眼を含む)に局在する悪性リンパ腫であり、日本におけるPCNSLの年間発症数は約980人と推定※1、2されている。
PCNSL患者が呈する徴候および 症状は病変部位により異なり、局所神経障害、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがある。
現在、未治療PCNSL患者には高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法およびその後の全脳放射線療法が行われており、一部の患者集団で長期寛解するものの、多くの患者は再発に至る。
また、初回治療が奏効しない難治性患者も存在しているが、再発又は難治性のPCNSL患者に対しては標準治療が確立されておらず、治療選択肢は限定的であり、新たな治療薬が望まれている※3。
チラブルチニブは、小野薬品が創製した選択性の高い経口BTK阻害剤であり、 国内においてB細胞腫瘍患者および自己免疫疾患患者を対象に開発を進めている。
B細胞受容体(以下、BCR)シグナル伝達は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関する中心的役割を担っており、特にB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)および 慢性リンパ性白血病(CLL)では、BCRシグナル伝達経路が恒常的に活性化していることが知られている。
チラブルチニブはBCRの下流に位置するメディエーターであるBTKを阻害することから治療効果が期待される。
※1: Neurol Med Chir (Tokyo). 2017;57(Supplement 1):9-102.
※2: Jpn J Neurosurg VOL.24 NO.10 2015.10
※3: 脳腫瘍診療ガイドライン2019年版
参照元:小野薬品工業株式会社ニュースリリース
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