テクノロジーの祭典 CES2019 ~ますます増えるデジタルヘルス系サービス~


  • [公開日]2019.02.08
  • [最終更新日]2019.02.08

 1月8日から11日まで、アメリカ・ラスベガスで開催されたCES2019。27万平方メートルという広大な会場に、世界から4500社が出展、18万人の参加者が訪れた。今年はデジタルヘルス系企業の出展や会合がさらに増え、そのテクノロジーもゲノミックス、人工知能、遠隔医療、機械学習、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を発展させた複合現実のMR、センサー、メディカル・リテールなど多岐にわたった。

「Beyond Gaming: XR Gets Down to Business」と題したシンポジウムでは、OssoVR社の創業者のジャスティン・バラッド外科医を含む5人が登壇。バラッド氏は「メディカルスクールを出た医師の3割が、手術経験がない」データを背景に、手術の訓練のためにVRを使うほか、患者の症例等の説明をARで行うことの可能性などを語った。

https://www.ces.tech/conference/Research-Summit/Beyond-Gaming-XR-Gets-Down-to-Business.aspx

また、別会場ではGamechanger Seqster社のCEOであるアンディ・アリアンポー氏が「Gamechanger Seqster Unites Health Data & Genomics」という演題で講演。医療記録、DNA、ウェアラブルからのフィットネス追跡データなどの収集・共有について語った。
https://www.ces.tech/conference/Digital-Health-Summit/Spotlight–Gamechanger-Seqster-Unites-Health-Data–Genomics.aspx

 そのほか、注目を集めていたのは、AIを使ったアバターが、患者の健康状態を測定。薬の服用を提案するエレクトロニック・ケアギバーの展示だ。24時間体制で健康状態を把握でき、訪問診療や訪問看護よりもコストを抑えられると期待されている。

https://www.electroniccaregiver.com/addison-most-ambitious-tech-at-ces-2019/

 CESでは、10年前から「デジタル・ヘルス・サミット(Digital Health Summit)」セッションがある。同サミットは最近、がん免疫療法学会との共同研究支援を打ち出したほか、スタンドアップ2カンサーのスン・ポブレーテ(Sung Poblete)博士がラウンドテーブル・ディスカッションに参加。革新的ながんの研究などに関して話し合った。

https://www.sitcancer.org/aboutsitc/press-releases/2018/sitc-su2c-collaboration

https://www.ces.tech/conference/Digital-Health-Summit.aspx

 CESに参加すると、会場が巨大なので大いに疲れるものの、着実に進展していく技術、例えば免疫療法、幹細胞による治療、遺伝子テストなどによって、がんを含む病の早期発見や治療法に希望が見えてくる。CES 2020の正式公開日は1月7日から1月10日までだ。

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