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Stand Up to Cancer、1時間の放映で1億2400万ドルを資金調達

[公開日] 2018.09.13[最終更新日] 2018.09.13

9月7日金曜日の夜8時(米太平洋時間)から、第6回目のStand Up to Cancer(スタンド・アップ・ツー・カンサー:がんに立ち向おう)のイベントがCBS、ABC、NBC、FOXなどで放映された。北米50以上の放送局やケーブルネットワークがコマーシャル無しで2年毎に放映する、資金調達でがん研究を支援する番組だ。 SU2Cと称させるStand Up To Cancerの使命は、新しい画期的な治療法を迅速に患者に与える研究への資金を調達すること。2018年現在1,500人以上の科学者が同研究プロジェクトに参加し、これまで SU2C研究者らの研究は、FDA(アメリカ食品医薬品局)が5つの新しいがん治療として承認した。 SU2Cは資金調達で4億8000万ドル以上を集めてきたが、今回の放送では、新たに過去最高の約1億2400万ドルの寄付を米国とカナダから集めた。番組視聴者からだけでなく、企業も寄付に参加。SU2Cのテレビ番組放送中に視聴者がクレジットカードを使って寄付するため、マスターカードでは放送中に同カードから寄付された金額100万ドルと同額の100万ドルをSU2Cに寄付した。 アメリカン航空、ドラッグストア大手チェーンCVS、メージャーリーグベースボールなどもビデオ参加していた。 1時間に及ぶ番組では、ジェニファー・ガーナー、ソフィア・ヴェガラ、マシュー・マコノーヒー、キアヌ・リーブスら、多くのハリウッドスターが出演した。サンタモニカの会場ステージには多発性骨髄腫という血液のがんで昨年末父親を亡くした俳優のマット・デイモンが現れ、群衆にがん患者と生存者、寄付した人々に立ち上がるように頼んだ。 カメラは聴衆の多くがこの病気で影響されたかを映し出し、さらに同胞のような繋がりがその場で生まれた。カントリー・ミュージックのリトルビッグタウン、R&Bの大御所でがんサバイバーのチャーリー・ウィルソンらの演奏や、大ヒット映画「クレイジー・リッチ・アジアンズ」のスターで医師のケン・ジョン(Ken Jeong)、NCISのマーク・ハーモン、ウィノナ・ライダーらも出演。 前夫を結腸がんで、姉をすい臓がんで亡くした元メインキャスターのケィティ・コリックが、SU2Cとラストガーテン財団がAIですい臓がんのハイリスクを検出する取り組みを紹介した。コリックによれば「毎日1600人ががんで亡くなっている」といい、ケン・ジョンらが、がんのスクリーニングの重要性を訴えた。 こうしたセレブのがんに纏わる体験・経験談だけでなく、十代で結腸がんからすい臓がんへと体内で拡がったものの、SU2Cの推進した免疫療法でがんを体内から消し、奇跡の回復を遂げた女性や、メラノーマが広がったが臨床試験でサバイバルしている前海兵隊パイロット、膵臓がんの元学校教師、患者たちが出演。 同団体の資金提供から研究の恩恵を受け、大学に進学したサバイバーが医者に感謝を表明する一面も紹介された。番組終盤ではスティービー・ワンダーが先月すい臓がんで亡くなったアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)の「世界が今必要としているもの」や「今日は愛が必要な愛」などのメドレーを捧げた。 Stand Up Cancerは、がん研究を加速し患者に新しい治療法を迅速に提供するため、ケィティ・コリックのようにがんで人生が変わったメディア・娯楽産業のリーダーたちによって2008年に設立されたエンターテイメント産業財団(EIF)の一部門で、慈善事業を行う。 このテレキャストは終了したものの、1.888.907.8263に電話したり、Stand Up to CancerのサイトSU2c.orgから寄付や、SU2CのTシャツやアクセサリーなどのグッズを買うことができる。
ニュース がん一般

Ayako Jacobsson

広島市で育ち、東京都立大学、英ケンブリッジ大学、コロラド大学ボルダー校で学ぶ。卒業後は「ウォール・ストリート・ジャーナルを読む」などの番組制作ディレクターを担当後、読売新聞英字新聞記者として通信、コンピュータ、テレビ、映画、ホテル、旅行業界を取材。99年からシリコンバレーに拠点を置き、取材・執筆活動を行っている。

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