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アクテムラ:「CAR-T 細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群」に対する 効能・効果追加を承認申請

[公開日] 2018.05.30[最終更新日] 2018.05.30

中外製薬株式会社は、ヒト化抗ヒト IL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®点滴静注用 80 mg、同 200 mg、同 400 mg」[一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)](以下、アクテムラ)について、「キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞輸注療法*に伴うサイトカイン放出症候群」に対する効能・効果追加の承認申請を2018年5月28日、厚生労働省に行った。 今回の申請は、ノバルティス社が実施したキメラ抗原受容体T細胞医療の有効性及び安全性を検討した、第II相国際共同治験等の成績に基付いている。 サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome: CRS)は、過剰な免疫反応にともない細胞から多量のサイトカインが放出され、血中のサイトカイン濃度が高度に上昇することを原因として引き起こされる**。 CRSは、CAR-T細胞輸注療法下で比較的多く見られる副作用のひとつで、多くの患者さんで軽度ないし中等度のインフルエンザ様症状(発熱、悪心・悪寒、筋肉痛 等)を呈する。 しかし、一部の患者さんでは重度の低血圧、頻脈、呼吸困難などが誘発され症状が急激に進展し、死亡に至ることもある。 CRSの治療は、初期治療として個々の徴候・症状への対症療法、またはコルチコステロイドや抗ヒスタミン薬の静脈内投与による、過剰な炎症反応の抑制が行わる。 しかし、重症度が高い場合には、発症原因である血中サイトカイン濃度の過度な上昇を抑制するため、抗サイトカイン療法による治療が行われている。 中外製薬は、アクテムラを「キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群」に対する治療薬として一日も早く患者さんに寄与するため、承認取得に向けて取り組んでいる。 ※ 5月29日の中外製薬株式会社のプレスリリースはこちらから https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20180529100000.html ** cytokine release syndrome: CRSについてはこちらから(英文) Current concepts in the diagnosis and management of cytokine release syndrome http://www.bloodjournal.org/content/bloodjournal/124/2/188.full.pdf?sso-checked=true
ニュース 血液がん トリシズマブ

前原 克章

大学では英文科を専攻し、在学中に3度米国シカゴ大学へ留学。20年間医薬品・医療機器総合商社勤務。がん疾患の医療・治療にかかわって12年が経過。2018年4月から株式会社クロエへ転身、がん情報サイト「オンコロ」にも携わる。米国臨床腫瘍学会(ASCO)、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)、米国癌学会(AACR)、日本臨床腫瘍学会(JSMO)など会員。

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