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前治療歴のある進行性腎細胞がん患者に対するオプジーボ、3年全生存率(OS)を向上させる

[公開日] 2017.11.09[最終更新日] 2017.11.09

2017年11月6日、前治療歴のある進行性腎細胞がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)の3年全生存率(OS)を検証した第III相CheckMate-025試験(NCT01668784)の結果をブリストル・マイヤーズ スクイブ社が自社のプレスリリースで公表した。この発表は、フロリダ州マイアミで開催された第16回 国際腎臓がんシンポジウム(International Kidney Cancer Symposium:KCS)において、11 月 4日 に発表された。 CheckMate-025試験とは、VEGF阻害薬治療後の進行性腎細胞がん患者(N=803人)に対して2週間に1回の投与間隔でオプジーボ3mg/kgを投与する群(N=406人)、1日1回エベロリムス(商品名アフィニトール;以下アフィニトール)10mgを投与する群(N=397人)にランダムに振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、そして安全性などを比較検証したオープンラベルの第III相試験である。 本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)はオプジーボが投与群25.8ヶ月、アフィニトール投与群19.7ヶ月、オプジーボ投与群で死亡のリスク(OS)が26%(ハザード比0.74,95%信頼区間:0.63-0.88,p=0.0005)統計学的有意に減少していた。そして、3年全生存率(OS)はオプジーボ投与群39%、アフィニトール投与群30%であった。 36ヶ月時点における副次評価項目についても公表され、客観的奏効率(ORR)はオプジーボ投与群26%に対してアフィニトール投与群5%、奏効持続期間(DOR)はオプジーボ投与群12.3ヶ月に対してアフィニトール投与群12ヶ月であった。また、無増悪生存期間(PFS)中央値においてはオプジーボ投与群4.2ヶ月に対してアフィニトール投与群4.5ヶ月(ハザード比0.85,95%信頼区間:0.73-0.99,p=0.0371)であった。 一方の安全性としては、前回のCheckMate-025試験の中間解析プロファイルと同様であった。グレード3/4治療関連有害事象はオプジーボ投与群21%に対してアフィニトール投与群37%、最も一般的に発症したグレード3/4治療関連有害事象はオプジーボ投与群で肝炎3%、消化器系症状2%、アフィニトール投与群で肺炎3%、消化器系症状2%、皮膚障害1%であった。また、治療関連有害事象により投与中止になった患者はオプジーボ投与群8%、アフィニトール投与群13%、なお治療関連による死亡は両群ともに確認されなかった。 以上の36ヶ月時点における試験の有効性、安全性を受けてテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター・Padmanee Sharma氏は以下のように述べている。”CheckMate-025試験で得られたオプジーボの全生存期間(OS)延長効果、安全性のプロファイルは治療歴のある進行性腎細胞がん患者さんに対する治療効果の高い、標準治療としての治療選択肢になるでしょう。” また、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社・悪性黒色腫(メラノーマ)/泌尿生殖器系がん開発担当医師・Arvin Yang氏は以下のように述べている。”CheckMate-025試験の結果より、アフィニトールよりもオプジーボは全生存期間(OS)を6ヶ月以上延長することが証明されました。この結果は、治療歴のある進行性腎細胞がんの標準治療としてオプジーボの地位を確立することになるでしょう。進行性腎細胞がんに対して抗PD-1/PD-L1抗体薬を投与した36ヶ月間試験の結果はこれまで前例はありません。我々は今後も継続して腎臓系のがんの中でも最も普遍的な種の腎細胞がんの生存率向上に努めてまいります。”
ニュース 腎臓がん ニボルマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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