2017年9月21日、医学誌『JAMA Oncology』にて日本人非小細胞肺がん患者対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ) の効果と免疫関連副作用(irAE)の関連性を検証した試験の結果が公表された。

本試験は、二次治療以降の再発または進行性の日本人非小細胞肺がん患者(N=134人)に対してオプジーボを投与した国内4つの医療機関における2015年12月から2016年8月の診療記録に基づいて、免疫関連副作用(irAE)とその患者の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の関係性を検証した試験である。

本試験の患者背景は、年齢中央値68歳(33歳-85歳)、男性67%(N=90人)、女性33%(N=44人)であった。また、免疫関連副作用(irAE)発症率は51%(N=69人)の患者で確認され、その内グレード3/4の免疫関連副作用(irAE)発症率は9%(N=12人)、コルチコイドによる治療が必要な患者は18%(N=24人)であった。

本試験の結果、 6週間ランドマーク解析時点において免疫関連副作用(irAE)を発症した患者とそうでない患者の無増悪生存期間(PFS)は9.2ヶ月(95%信頼区間:4.4ヶ月-未到達)に対して4.8ヶ月(95%信頼区間:3.0-7.5ヶ月)(P = 0.04)、全生存期間(OS)は未到達(95%信頼区間:12.3ヶ月-未到達)に対して11.1ヶ月(95%信頼区間:9.6ヶ月-未到達)(P = 0.01)であった。

また、多変量解析によれば免疫関連副作用(irAE)と無増悪生存期間(PFS)は正の相関関係があり(ハザード比 = 0.525, 95%信頼区間:0.287-0.937,P = 0.03) 、全生存期間(OS) も正の相関関係がある(ハザード比 = 0.525, 95%信頼区間:0.101-0.667,P = 0.03) ことを示していた。

以上の試験の結果を受けて、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門原谷浩司医師は以下のような結論を出している。”再発または進行性非小細胞肺がん患者におけるオプジーボの免疫関連副作用(irAE)の発症率と患者の予後と転機には正の相関があることが確認された。今回の研究で確認された知見を確かなものにするため、我々にはさらなる研究が必要である。”

本論文公表以前、免疫関連副作用(irAE)と抗PD-1抗体薬の有効性の関係については悪性黒色腫(メラノーマ)においては知られていたが、非小細胞肺がんにおいても同様の再現性が認められることは十分に研究されていなかった。

そのため、オプジーボなどの抗PD-1抗体薬を投与した時に発症する1型糖尿病などの免疫関連副作用(irAE)に対しては既存の副作用と比べて対処しにくい側面があり、発症した際には投与中止に至るケースが生じていた。

本試験の結果より、非小細胞肺がんのように患者数が多い疾患で免疫関連副作用(irAE)の発症率と患者の予後と転機において正の相関が認められたことは、オプジーボなどの抗PD-1抗体薬による治療を受ける患者さんの臨床成績を向上させることになるだろうと筆者は考える。

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