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未治療/再発難治性慢性リンパ性白血病に対するウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用療法、無増悪生存期間を統計学的有意に改善

[公開日] 2020.12.22[最終更新日] 2020.12.22

この記事の3つのポイント ・て未治療/再発難治性慢性リンパ性白血病患者が対象の第3相試験 ・ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用療法の有効性・安全性を検証 ・オビヌツズマブ+クロラムブシル併用療法に対して、死亡のリスクを45.4%統計学的有意に改善

2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて未治療/再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するPI3Kδ阻害薬であるウムブラリシブ+抗CD20抗体であるウブリツキシマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第3相のUnity-CLL試験(NCT02612311)の結果がBarts Cancer InstituteのJohn G. Gribben氏らにより公表された。

Unity-CLL試験とは、未治療/再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対し1日1回ウムブラリシブ800mg+ウブリツキシマブ1000mg(1サイクル目は1、2、8、15日目、2~6サイクル目は1日目、6サイクル目以降は3サイクル毎に1日目)併用療法を投与する群、または1サイクル目はオビヌツズマブ1000mg(1サイクル目は1、2、8、15日目、2~6サイクル目は1日目)+クロラムブシル0.5mg/kg(1~6サイクル目は1、15日目)併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として独立評価委員会判定による無増悪生存期間(PFS)、重要な副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを比較検証した多施設共同ランダム化の第3相試験である。

本試験に登録されたウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群210人、オビヌツズマブ+クロラムブシル併用群211人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は67歳(36-91歳)。性別は男性66%。治療歴は未治療57%、再発難治性43%。なお、両群間の患者背景に大きな偏りはなかった。

本試験のフォローアップ期間中央値36.2ヵ月時点における結果は下記の通りである。無増悪生存期間(PFS)中央値はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群31.9ヵ月に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群17.9ヵ月、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを45.4%(HR:0.546,95%信頼区間:0.413-0.720,P<0.0001)統計学的有意に改善した。24ヵ月無増悪生存率(PFS)はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群60.8%に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群40.4%であった。

また、治療歴ステータス別の無増悪生存期間(PFS)は下記の通りである。未治療群における無増悪生存期間(PFS)中央値はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群38.5ヵ月に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群26.1ヵ月(HR:0.482,95%信頼区間:0.316-0.736)。再発難治性群における無増悪生存期間(PFS)中央値はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群19.5ヵ月に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群12.9ヵ月(HR:0.601,95%信頼区間:0.415-0.869)。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群83.3%(95%信頼区間:78.1%-88.6%)に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群68.7%(95%信頼区間:62.2%-75.2%,P<0.001)。

一方の安全性として、グレード3~4の有意事象(AE)は下記の通りである。好中球減少症はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群30.6%に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群34.7%、血小板減少症は3.4%に対して13.1%、下痢は12.1%に対して2.5%、インフュージョンリアクションは1.9%に対して3.5%、AST/ALT上昇は8.3%に対して2%、大腸炎は3.4%に対して0%、肺炎は2.9%に対して0%。なお、有意事象(AE)により治療中止に至った患者割合はウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群16.5%に対してオビヌツズマブ+クロラムブシル併用群7.6%。

以上のUnity-CLL試験の結果よりJohn G. Gribben氏らは以下のように結論を述べている。”未治療/再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するPI3Kδ阻害薬ウムブラリシブ+抗CD20抗体ウブリツキシマブ併用療法は、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善し、忍容性も良好でした。”

Umbralisib Plus Ublituximab (U2) Is Superior to Obinutuzumab Plus Chlorambucil (O+Chl) in Patients with Treatment Naïve (TN) and Relapsed/Refractory (R/R) Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL): Results from the Phase 3 Unity-CLL Study(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 543)
ニュース 白血病 NCT02612311

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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