2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にてALアミロイドーシス患者に対するフィブリル反応性モノクローナル抗体であるCAEL-101療法の用量漸増試験として有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT04304144)の結果がTaussig Cancer InstituteのJack Khouri氏らにより公表された。
本試験は、ALアミロイドーシス患者(N=13人;心臓7人、腎臓3人、両方3人)に対して1週間に1回CAEL-101療法500mg/m2(コーホート1、N=4人)、750mg/m2(コーホート2、N=3人)、1000mg/m2(コーホート3、N=6人)を4週間投与し、その後、CyBorD療法(シクロホスファミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン)を投与し、主要評価項目として第3相試験推奨用量を検証した第2相試験である。
本試験が開始された背景として、第1相試験にてフィブリル反応性モノクローナル抗体であるCAEL-101療法は重篤な有害事象(SAE)を発生させることなく、良好な臓器効果(Organ response)を示した。以上の背景より、現在のALアミロイドーシスの治療法であるCyBorD療法にフィブリル反応性モノクローナル抗体であるCAEL-101療法を併用した治療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値91日時点における13人の患者に対する結果は下記の通りである。主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は最大用量であるCAEL-101療法1000mg/m2投与群(N=6人)において1人の患者でも確認されなかった。なお、重篤な有害事象(SAE)は3人の患者で確認され、CAEL-101療法500mg/m2投与群においては心房細動(N=1人)、CAEL-101療法1000mg/m2投与群においてはクロストリジウム・ディフィシル大腸炎(N=1人)、胸水(N=1人)が確認された。有効性評価可能であった3人における奏効率(PR)は2人の患者で部分奏効率(PR)を示したが、残りの1人はフォローアップ期間が現状では短いため有効性の判断をするのは時期尚早であった。
以上の第2相試験の結果よりJack Khouri氏らは「ALアミロイドーシス患者に対するフィブリル反応性モノクローナル抗体であるCAEL-101療法をCyBorD療法と併用する場合の第3相試験推奨用量は、CAEL-101療法1000mg/m2が推奨されます。また、CAEL-101療法による臓器効果(Organ response)は治療開始より早期に確認されます」と結論を述べている。
Safety, Tolerability and Efficacy of Cael-101 in AL Amyloidosis Patients Treated on a Phase 2, Open-Label, Dose Selection Study to Evaluate the Safety and Tolerability of Cael-101 in Patients with AL Amyloidosis(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 729)