AI問診でがん薬物療法の治療支援、評価研究を開始ーがん研有明病院と日立製作所ー


  • [公開日]2020.11.20
  • [最終更新日]2020.11.20

11月19日、がん研究会有明病院(以下、がん研有明病院)と株式会社日立製作所は、がん薬物療法中の患者の体調や副作用状況などをタブレット型ロボットで事前に確認し、その効果を評価する研究を2020年11月末より開始することを発表した。

がん研有明病院と日立製作所は2018年より「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」の研究開発プロジェクトに参画しており、今回の研究もその取り組みの1つである。

がん研有明病院では1日に約1800名の外来患者が来院しており、医療従事者は外来患者に対して薬物療法に伴う副作用の症状のチェックを行うことに多くの時間を費やしている。今回の研究は、外来患者の診療前に状態把握を行い、適切な治療につなげるとともに、医療従事者の負担軽減を目的として効果を評価する。

同研究の第1段階では、通院による薬物療法を受ける大腸がん患者を対象に、タブレット型ロボットを用いて抗がん剤の副作用発症状況の確認を行う。これにより、これまで医師の診察の待ち時間に薬剤師が行っていた副作用の確認業務を軽減。病院内のサーバーに保管された問診結果を薬剤師が確認し、対面による問診の必要性を判断するという。また、その日の検査結果と合わせて、患者の状態に関連する情報をAIが分析し、治療に注意が必要な患者や抗がん剤投与を見合わせた方がいい患者などに分類することで、副作用の見逃しを防止する仕組みを構築するとしている。

なお、同研究は2022年3月末まで実施され、今後は対象がん種を広げる予定。また、第2段階として、問診中の顔の表情など生体情報なども含めて分析できる仕組みを構築・検証することも計画されている。

参照元:
がん研究会有明病院 ニュースリリース

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