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転移性眼内黒色腫に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法、客観的奏効率18%を示す

[公開日] 2020.11.13[最終更新日] 2020.11.13

この記事の3つのポイント ・転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者が対象の第2相試験 ・オプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・客観的奏効率は18%を示し、1人は完全奏効を認めた

2020年10月30日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT01585194)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMeredith S. Pelster氏らにより公表された。

本試験は、転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者(N=33人)に対してオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg併用療法を4サイクル投与後、維持療法としてオプジーボ単剤療法を最大2年間投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した第2相試験である。

転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫は予後が不良でありながら、標準治療薬として承認された治療選択肢は存在しない。また、転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬単剤療法の有用性は検証されたが、その治療成績は臨床的意義のあるものではなかった。以上の背景より、転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイの併用療法の有用性が本試験にて検証された。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は18%を示した。また、その奏効率の内訳は完全奏効(CR)1人、部分奏効(PR)5人の患者で確認されている。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は5.5ヵ月(95%信頼区間:3.4―9.5ヵ月)、全生存期間(OS)中央値は19.1ヵ月(95%信頼区間:9.6ヵ月―未到達)を示した。一方の安全性として、40%の患者でグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)の発現が確認されている。

以上の第2相試験の結果よりMeredith S. Pelster氏らは「転移性眼内(ブドウ膜)黒色腫患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、深く持続的な奏効を示すことが確認されました」と結論を述べている。

Nivolumab and Ipilimumab in Metastatic Uveal Melanoma: Results From a Single-Arm Phase II Study(J Clin Oncol. 2020 Oct 30;JCO2000605. doi: 10.1200/JCO.20.00605.)
ニュース 眼内黒色腫

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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