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ホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するリボシクリブ+フルベストラント、全生存期間を統計学有意に改善

[公開日] 2020.01.07[最終更新日] 2020.01.07

この記事の3つのポイント ・ホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者が対象の第3相試験
・リボシクリブ+フルベストラント併用療法の有効性・安全性を比較検証
・プラセボ群と比較して、リボシクリブ群で死亡のリスクを28%統計学有意に改善

2019年12月11日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するCDK4/6阻害薬であるリボシクリブ+フルベストラント併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMONALEESA-3試験(NCT02422615)の全生存期間(OS)の結果がClinical/Translational ResearchのDennis J. Slamon氏らにより公表された。

MONALEESA-3試験とは、ホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するファーストライン治療、セカンドライン治療としてリボシクリブ+フルベストラント併用療法を投与する群、またはプラセボ+フルベストラント併用療法を投与する群に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを比較検証した第3相試験である。

本試験の初回解析時点では、全生存期間(OS)データは未成熟であったが、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はリボシクリブ群20.5ヶ月に対してプラセボ群12.8ヶ月、リボシクリブ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを41%(HR:0.59,95%信頼区間:0.48‐0.73,P<0.001)統計学有意に改善することが示されている。

本試験のフォローアップ期間中央値は35.8ヵ月、治療期間中央値はリボシクリブ群15.8ヶ月、プラセボ群12.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はリボシクリブ群未到達に対してプラセボ群40.0ヶ月(95%信頼区間:37.0ヶ月-未到達)を示した。また、42ヶ月全生存率(OS)はリボシクリブ群57.8%(95%信頼区間:52.0%-63.2%)に対してプラセボ群45.9%(95%信頼区間:36.9%-54.5%)、リボシクリブ群で死亡(OS)のリスクを28%統計学有意に改善した(HR:0.72,95%信頼区間:0.57-0.92)。

一方の安全性として、プラセボ群に比べてリボシクリブ群で多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。好中球減少症がリボシクリブ群57.1%に対してプラセボ群0.8%、リンパ球減少症がリボシクリブ群15.5%に対してプラセボ群0%、肝毒性がリボシクリブ群13.7%に対してプラセボ群5.8%、QT延長がリボシクリブ群3.1%に対してプラセボ群1.2%を示した。

以上のMONALEESA-3試験の結果よりDennis J. Slamon氏らは以下のように結論を述べている。”ホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するCDK4/6阻害薬リボシクリブ+フルベストラント併用療法は、全生存期間(OS)を統計学有意に改善しました。”

Overall Survival with Ribociclib plus Fulvestrant in Advanced Breast Cancer(N Engl J Med. 2019 Dec 11. doi: 10.1056/NEJMoa1911149.)
ニュース 乳がん NCT02422615

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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