・未治療の口腔扁平上皮がん患者が対象の第2相試験
・オプジーボ単剤とオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を比較検証
・腫瘍減量効果はオプジーボ単剤で50%、オプジーボ+ヤーボイ併用で53%を示す
2020年8月27日、医学誌『JAMA Oncology』にて未治療の口腔扁平上皮がん対する術前化学療法(ネオアジュバント)としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)、またはオプジーボ+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02919683)の結果がBrigham and Women's HospitalのJonathan D. Schoenfeld氏らにより公表された。
本試験は、未治療口腔扁平上皮がん対する術前化学療法としてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=14人)、またはオプジーボ3mg/kg+ヤーボイ1mg/kg併用療法を投与する群(N=15人)に分け、主要評価項目として腫瘍減量効果、安全性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を検証した。
本試験に登録された患者の年齢中央値は62歳。性別は男性62%(N=18人)、女性38%(N=11人)。術前化学療法から手術までの期間中央値は19日(7~21日)である。
主要評価項目である安全性としては、グレード3~4の有害事象(AE)はオプジーボ単剤群で2人、オプジーボ+ヤーボイ併用群で5人確認された。なお、1人の患者が死亡したが、その原因は治療関連有害事象(TRAE)によるものではなかった。
もう1つの主要評価項目である腫瘍減量効果はオプジーボ単剤群で50%、オプジーボ+ヤーボイ併用群53%、奏効率(RR)はオプジーボ単剤群で13%、オプジーボ+ヤーボイ併用群38%、病理学的反応率(pathologic response)はオプジーボ単剤群で54%、オプジーボ+ヤーボイ併用群73%を示した。
なお、4人(オプジーボ単剤群1人、オプジーボ+ヤーボイ併用群3人)の患者で完全な病理学的反応率(major/complete pathologic response)90%を超え、フォローアップ期間中央値14.2ヶ月におけるその患者の1年無増悪生存率(PFS)は85%、1年全生存率(OS)89%を示した。
第2相試験の結果よりJonathan D. Schoenfeld氏らは「未治療の口腔扁平上皮がん対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法、オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、奏効率(RR)も期待のできる結果でした」と結論を述べている。
Neoadjuvant Nivolumab or Nivolumab Plus Ipilimumab in Untreated Oral Cavity Squamous Cell Carcinoma -A Phase 2 Open-Label Randomized Clinical Trial-(JAMA Oncol. 2020 Aug 27. doi: 10.1001/jamaoncol.2020.2955.)