ベレキシブル、原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫に対する適応追加承認を取得ー小野薬品工業ー


  • [公開日]2020.08.31
  • [最終更新日]2020.08.24

8月21日、小野薬品工業株式会社は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤のベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩、以下ベレキシブル)が原発性マクログロブリン血症(WM)およびリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)に対しての適応追加が承認されたと発表した。

ベレキシブルは、B細胞受容体(BCR)の下流に位置するメディエーターであるBTKを阻害することから治療効果が期待されている。BCRシグナル伝達は、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)と慢性リンパ性白血病(CLL)で常に活性化していることが知られており、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟、分化などの役割を持っている。

今回の承認は、未治療および再発または難治性のWMおよびLPL患者にベレキシブルの有効性安全性を評価多施設共同国内第2相試験(ONO-4059-05)の結果に基づく。ベレキシブルを未治療の患者(N=18人)と再発または難治性の患者(N=9人)に投与し、主要評価項目である全奏効率は88.9%、副次評価項目である6カ月時点の無増悪生存率および生存率は100%を示した。

今回の承認により、ベレキシブルは未治療および再発または難治性WMとLPLの治療薬として日本初のBTK阻害剤となった。

原発性マクログロブリン血症(WM)およびリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)について
悪性リンパ腫の一種であり、比較的進行が遅く、生存期間の中央値は5年以上であるが、標準治療が確立されていない難治性の疾患。日本でのLPLの年間罹患数は約240人である。

ONO-4509-05試験について
未治療および再発または難治性のWMおよびLPL患者にベレキシブルを投与し、有効性と安全性を検証した第2相試験。未治療の患者18名と再発または難治性の患者9名の計27名に1日1回ベレキシブル480mgを投与し、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで継続した。主要評価項目は全奏効率、副次評価項目は無増悪生存期間全生存期間とした。全奏効率は、未治療の患者で88.9%(N=16/18人、95%信頼区間(CI):65.3-98.6)、再発または難治性の患者で88.9%(N=8/9人、95%CI:51.8-99.7)、6カ月時点の無増悪生存率および生存率は100%であった。安全性について、高頻度に認められたグレード3以上の有害事象(AE)は、好中球減少症(11.1%)、リンパ球減少症(11.1%)、白血球減少症(7.4%)であった。

参照元:
小野薬品工業株式会社 プレスリリース

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン