6月22日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は子会社であるセルジーン株式会社が、CD19を標的とした自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法であるlisocabtagene maraleucel(liso-celまたはJCAR017;以下liso-cel)が再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を対象に再生医療等製品製造販売承認を申請したと発表した。
liso-celとは、正常なB細胞が発生した時からB細胞が悪性化した後も細胞の表面に発現しているCD19を標的としたCAR-T細胞療法。日本では厚生労働省よりアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象に希少疾病用再生医療等製品に指定されている。
大細胞型B細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の一種であり、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)など数種の病型を含む。再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫は標準治療が確立しておらず、新規治療法の開発が期待されている領域である。
今回の申請は、再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫が対象の外国第1相試験および再発または難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫が対象の国際共同第2相試験の結果に基づいている。
liso-celは、CAR-T細胞の組成(CD8細胞およびCD4細胞)を定めることで製品間のばらつきを抑制できると考えられているが、その組成と臨床的な意義の関連性については明らかになっていない。
lisocabtagene maraleuceとは 正常なB細胞の発生時から細胞表面に現れるCD19を標的とした自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法。CD19発現細胞に作用することを目的に、CD19陽性細胞への特異性をもたらす抗CD19一本鎖抗体(scFV)標的領域、膜貫通ドメイン、T細胞の増殖性および持続性を高めるとされている4-1BB共刺激領域とCD3ゼータT細胞活性化領域から構成されている。