・ファーストライン治療としてのオプジーボ+AVD療法の有効性・安全性を検証
・忍容性は良好であり、完全寛解率、無増悪生存期間も優れていた
2020年4月30日、医学誌『JAMA Oncology』にて早期古典的ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+AVD(アドリアマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)療法の有効性、安全性を検証した第2相のNIVAHL試験(NCT03004833)の結果がUniversity Hospital of CologneのPaul J. Bröckelmann氏らにより公表された。
NIVAHL試験とは、早期古典的ホジキンリンパ腫患者(N=109人)に対してオプジーボ+AVD療法を4サイクル投与後、放射線療法(IFRT)30Gyを投与する群(N=51人,アームA)、またはオプジーボ単剤療法を4サイクル投与後、オプジーボ+AVD療法を2サイクル投与し、その後AVD療法を2サイクル投与し、放射線療法(IFRT)30Gyを投与する群(N=50人,アームB)に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として完全寛解率(CR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した多施設共同非盲検化の第2相試験である。
本試験が開始された背景として、抗PD-1抗体薬であるオプジーボは再発難治性古典的ホジキンリンパ腫に対する有効性は確認されているが、古典的ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としての有用性は十分に研究されていない。以上の背景より、早期古典的ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としてのオプジーボ+AVD療法の有用性を検証する目的でNIVAHL試験が開始された。
本試験の結果、全身療法完了時点の客観的奏効率(ORR)はアームAで100%、アームBで98%を示した。また、主要評価項目である完全寛解率(CR)はアームAで87%、アームBで51%を示した。副次評価項目である12ヶ月無増悪生存率(PFS)はアームAで100%、アームBで98%(95%信頼区間:95%-100%)を示した。12ヶ月全生存率(OS)はアームA、アームBともに100%を示した。
一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はアームAで98%、アームBで98%を示した。また、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はアームAで76%、アームBで80%を示した。
以上のNIVAHL試験の結果よりPaul J. Bröckelmann氏らは以下のように結論を述べている。”早期古典的ホジキンリンパ腫患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+AVD療法は、忍容性も良好であり、完全寛解率(CR)、無増悪生存期間(PFS)も優れておりました。”
Efficacy of Nivolumab and AVD in Early-Stage Unfavorable Classic Hodgkin Lymphoma The Randomized Phase 2 German Hodgkin Study Group NIVAHL Trial(JAMA Oncol. 2020 Apr 30. doi: 10.1001/jamaoncol.2020.0750.)