低悪性度腎盂尿管がん患者に対するマイトマイシンゲル化製剤UGN-101、完全奏効率59%を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2020.05.15
  • [最終更新日]2020.05.15
この記事の3つのポイント
・低悪性度腎盂尿管がん患者が対象の第3相試験
・マイトマイシンゲル化製剤UGN-101の有効性安全性を検証
完全奏効率は59%を示し、試験前に計画された基準値を上回った

2020年4月20日、医学誌『The Lancet Oncology』にて低悪性度腎盂尿管がん患者に対するマイトマイシンゲル化製剤であるUGN-101の有効性、安全性を検証した第3相のOlympus試験(NCT02793128)の結果がSheba Medical CenterのNir Kleinmann氏らにより公表された。

Olympus試験とは、低悪性度腎盂尿管がん患者(N=74人)に対して1週を1サイクルとしてUGN-101を計6回尿管カテーテル点滴注入し、主要評価項目として完全奏効率(CR)、有害事象(AE)を検証した第3相試験である。

本試験が開始された背景として、低悪性度腎盂尿管がん患者の標準治療は根治的切除術である。本試験では、非外科学的療法であるマイトマイシンゲル化製剤であるUGN-101により治癒する可能性を検証する目的で開始された。

本試験の結果、主要評価項目である完全奏効率(CR)59%(95%信頼区間:47%‐71%,P<0.0001)を示し、試験前に計画された基準値を上回った。一方の安全性とし、UGN-101の全グレードの主な有害事象は尿管狭窄、尿路感染症、血尿、側腹部痛、悪心であった。

以上のOlympus試験の結果よりNir Kleinmann氏らは以下のように結論を述べている。”低悪性度腎盂尿管がん患者に対するマイトマイシンゲル化製剤であるUGN-101は完全奏効率(CR)59%を示し、外科的手術療法の代替療法になり得る可能性が示唆されました。”

Primary chemoablation of low-grade upper tract urothelial carcinoma using UGN-101, a mitomycin-containing reverse thermal gel (OLYMPUS): an open-label, single-arm, phase 3 trial(The Lancet Oncology Published:April 29, 2020)

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