・経口FGFR阻害薬Pemigatinib単剤療法の有効性・安全性を検証
・FGFR2遺伝子の融合/再構成を有する患者群における客観的奏効率は35.5%を示した
2020年3月20日、医学誌『The Lancet Oncology』にて治療歴のある局所進行性/転移性胆管がん患者に対する経口FGFR阻害薬であるPemigatinib単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のFIGHT-202試験(NCT02924376)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのGhassan K Abou-Alfa氏らにより公表された。
FIGHT-202試験とは、少なくとも1レジメン以上の治療歴のある局所進行性/転移性胆管がん患者に対して21日を1サイクルとしてPemigatinib 13.5mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同オープンラベルの第2相試験である。
本試験が開始された背景として、胆管がんの原因には線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)2遺伝子変異が関連している可能性が示唆されている。以上の背景より、FGFR1、2、3に対して選択的で強力な経口阻害薬であるPemigatinibの有用性が本試験にて検証された。
なお、本試験に登録された患者はFGFR2遺伝子の融合/再構成を有する、その他のFGF/FGFR遺伝子の融合/再構成を有する、またはFGF/FGFR遺伝子の融合/再構成のない患者である。
本試験に登録された146人の患者における結果は下記の通りである。主要評価項目であるFGFR2遺伝子の融合/再構成を有する患者群における客観的奏効率(ORR)は35.5%(N=38人,95%信頼区間:26.5%‐45.4%)を示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの有害事象(AE)は高リン血症60%(N=88人)を示した。また、グレード3以上の有害事象(AE)は低リン血症12%、関節痛6%、口内炎5%、低ナトリウム血症5%、腹痛5%、疲労5%を示した。また、45%の患者で重篤な有害事象(SAE)が確認され、その内訳は腹痛5%、発熱5%、胆管炎3%、胸水3%を示した。
以上のFIGHT-202試験の結果よりGhassan K Abou-Alfa氏らは以下のように結論を述べている。”FGFR2遺伝子の融合/再構成を有する局所進行性/転移性胆管がん患者に対する経口FGFR阻害薬であるPemigatinib単剤療法は、本患者の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”
Pemigatinib for previously treated, locally advanced or metastatic cholangiocarcinoma: a multicentre, open-label, phase 2 study(Lancet Oncol. 2020 Mar 20. pii: S1470-2045(20)30109-1. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30109-1.)