・キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を比較検証
・アドセトリス単剤群に比べて、無増悪生存期間を統計学的有意に改善
2020年3月2日、メルク・アンド・カンパニーのプレスリリースにて再発難治性古典的ホジキンリンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-204試験(NCT02684292)の初回解析の結果が公表された。
KEYNOTE-204試験とは、再発難治性古典的ホジキンリンパ腫患者(N=304人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を最大35サイクル投与する群、または3週を1サイクルとして抗CD30抗体薬物複合体であるブレンツキシマブ ベドチン(商品名アドセトリス;以下アドセトリス)1.8mg/kg単剤療法を最大35サイクル投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを比較検証した国際多施設共同ランダム化の第3相試験である。
本試験が開始された背景として、現在、再発難治性古典的ホジキンリンパ腫に対する標準治療としては抗CD30抗体薬物複合体アドセトリスが確立されているが、以前としてアンメットメディカルニーズが高く、新たな治療選択肢の開発が必要である。以上の背景より、再発難治性古典的ホジキンリンパ腫患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダの有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の初回解析の結果、主要評価項目であるデータ・モニタリング委員会評価による無増悪生存期間(PFS)はアドセトリス単剤群に比べてキイトルーダ単剤群で統計学的有意に改善した。なお、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)は初回解析時点では、結果が出ていない。一方の安全性として、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の臨床試験で確認されているキイトルーダの安全性プロファイルと一致していた。
以上のKEYNOTE-204試験の結果より、メルク・アンド・カンパニーのJonathan Cheng氏は以下のようにコメントを述べている。”古典的ホジキンリンパ腫に罹患する患者さんは比較的年齢が若年で、現在の標準治療で寛解を達成できない患者さんもいる。このような患者さんに対し、現在の標準治療であるアドセトリス単剤療法に対してキイトルーダ単剤療法が無増悪生存期間(PFS)を改善することを示せたことは、臨床的意義のある結果でしょう。”