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治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ、64ヶ月全生存率26%を示す

[公開日] 2020.02.28[最終更新日] 2020.02.28

この記事の3つのポイント ・血管新生阻害薬の治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者が対象の第2相試験
・抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法の有効性・安全性をアフィニトールと比較検証
・64ヶ月全生存率は、アフィニトール群の18%に対して、オプジーボ群は26%を示した

2020年2月13日~15日に米国・サンフランシスコで開催された泌尿器がんシンポジウム2020 (Genitourinary Cancers Symposium)にて、治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-025試験(NCT01668784)の長期5年フォローアップの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らにより公表された。

CheckMate-025試験とは、血管新生阻害薬の治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者(N=803人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=406人)、または1日1回エベロリムス(商品名アフィニトール;以下アフィニトール)10mg単剤療法を投与する群(N=397人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証したランダム化オープンラベルの第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値64ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である64ヶ月全生存率(OS)はオプジーボ26%に対してアフィニトール18%を示し、オプジーボ単剤療法は長期に渡って全生存期間(OS)を改善することが示された。副次評価である客観的奏効率(ORR)はオプジーボ23%に対してアフィニトール4%、奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ18.2ヶ月に対してアフィニトール14ヶ月を示した。

一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ21%に対してアフィニトール37%を示した。なお、安全性プロファイルは、既存の臨床試験で確認されている治療関連有害事象(TRAE)と一致しており、本試験で新たに確認されたものはなかった。

以上のCheckMate-025試験の長期5年フォローアップの結果より、Robert J. Motzer氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、長期に渡って全生存期間(OS)を改善することが示されました。”

参照元:ブリストル・マイヤーズ スクイブ社プレスリリース
ニュース 腎臓がん NCT01668784

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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