・抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法の有効性・安全性をアフィニトールと比較検証
・64ヶ月全生存率は、アフィニトール群の18%に対して、オプジーボ群は26%を示した
2020年2月13日~15日に米国・サンフランシスコで開催された泌尿器がんシンポジウム2020 (Genitourinary Cancers Symposium)にて、治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-025試験(NCT01668784)の長期5年フォローアップの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らにより公表された。
CheckMate-025試験とは、血管新生阻害薬の治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者(N=803人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=406人)、または1日1回エベロリムス(商品名アフィニトール;以下アフィニトール)10mg単剤療法を投与する群(N=397人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証したランダム化オープンラベルの第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値64ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である64ヶ月全生存率(OS)はオプジーボ26%に対してアフィニトール18%を示し、オプジーボ単剤療法は長期に渡って全生存期間(OS)を改善することが示された。副次評価である客観的奏効率(ORR)はオプジーボ23%に対してアフィニトール4%、奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ18.2ヶ月に対してアフィニトール14ヶ月を示した。
一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ21%に対してアフィニトール37%を示した。なお、安全性プロファイルは、既存の臨床試験で確認されている治療関連有害事象(TRAE)と一致しており、本試験で新たに確認されたものはなかった。
以上のCheckMate-025試験の長期5年フォローアップの結果より、Robert J. Motzer氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある転移性進行性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、長期に渡って全生存期間(OS)を改善することが示されました。”
参照元:ブリストル・マイヤーズ スクイブ社プレスリリース