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METエクソン14変異を有する非小細胞肺がん患者に対するザーコリ単剤療法、客観的奏効率32%を示す

[公開日] 2020.01.22[最終更新日] 2020.01.22

この記事の3つのポイント ・METエクソン14変異を有する非小細胞肺がん患者が対象の試験
・マルチチロシンキナーゼ阻害薬ザーコリ単剤療法の有効性・安全性を検証
・全生存期間のデータは未成熟であったが、中央値は20.5ヶ月を示した

2020年1月13日、医学誌『The Nature Medicine』にてMETエクソン14変異を有する非小細胞肺がん患者に対するマルチチロシンキナーゼ阻害薬であるクリゾチニブ(商品名ザーコリ;以下ザーコリ)単剤療法の有効性、安全性を検証した試験の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのAlexander Drilon氏らにより公表された。

本試験は、METエクソン14変異を有する非小細胞肺がん患者(N=69人)に対して1日2回ザーコリ250mg単剤療法を投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)などを検証した試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は72歳(34‐91歳)。性別は男性42%、女性58%。人種は白人73%、アジア人16%、黒人3%、その他9%。ECOG Performance Statusはスコア0が28%、スコア1が71%、スコア2が1%。肺がんの組織型は腺がん84%、肉腫様がん9%、扁平上皮がん4%。進行ステージにおける前治療歴は0レジメンが38%、1レジメンが42%、2レジメン以上が20%。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。客観的奏効率(ORR)は32%(95%信頼区間:21%‐45%)、奏効持続期間(DOR)中央値は9.1ヶ月(95%信頼区間:6.4–12.7ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は7.3ヶ月(95%信頼区間:5.4–9.1ヶ月)を示した。

なお、全生存期間(OS)のデータは未成熟であったが、中央値は20.5ヶ月(95%信頼区間:14.3–21.8ヶ月)、6ヶ月全生存率(OS)87%(95%信頼区間:74.7–93.1%)、12ヶ月全生存率(OS)70%(95%信頼区間:54.7–81.1%)を示した。

以上の試験の結果よりAlexander Drilon氏らは以下のように結論を述べている。”METエクソン14変異を有する非小細胞肺がん患者に対するマルチチロシンキナーゼ阻害薬ザーコリは客観的奏効率(ORR)32%を示し、アンメッドメディカルニーズを満たす治療法になり得る可能性が示唆されました。”

Antitumor activity of crizotinib in lung cancers harboring a MET exon 14 alteration(Nat Med. 2020 Jan;26(1):47-51. doi: 10.1038/s41591-019-0716-8.)
ニュース 肺がん METエクソン14

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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