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トリプルネガティブ乳がん患者に対するファーストライン治療としてのCapivasertib+パクリタキセル併用療法、無増悪生存期間、全生存期間を改善Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2019.12.27
  • [最終更新日]2019.12.27
この記事の3つのポイント
転移性トリプルネガティブ乳がん患者が対象の第2相試験
ファーストライン治療としてのCapivasertib+パクリタキセル併用療法の有効性安全性を比較検証
プラセボ群に対して、Capivasertib群は病勢進行または死亡のリスクを26%改善

2019年12月16日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて転移性トリプルネガティブ乳がん患者に対するファーストライン治療としてのAKT阻害薬であるCapivasertib+パクリタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のThe PAKT試験(NCT02423603)の結果がImperial College LondonのPeter Schmid氏らにより公表された。

The PAKT試験とは、転移性トリプルネガティブ乳がん患者(N=140人)に対するファーストライン治療として28日を1サイクルとして1日2回Capivasertib400mg+1、8、15日目にパクリタキセル90mg/m2併用療法を投与する群(N=70人)、またはプラセボ+パクリタキセル併用療法を投与する群(N=70人)に1対1の割当で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)を比較検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、トリプルネガティブ乳がんは乳がんの約10%~15%を占めている。トリプルネガティブ乳がんの全生存期間(OS)中央値は約1年、予後が非常に不良な疾患であり、新規治療の開発が必要とされている。以上の背景より、トリプルネガティブ乳がんの分子標的治療薬として期待されているAKT阻害薬であるCapivasertibの有用性が本試験により検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
Capivasertib群=55.5歳
プラセボ群=51.9歳

ECOG Performance Status
Capivasertib群=スコア0 61.4%、スコア1 37.1%、スコア2 1.4%
プラセボ群=スコア0 68.6%、スコア1 31.4%、スコア2 0%

転移個数
Capivasertib群=3個未満 52.9%、3個以上 47.1%
プラセボ群=3個未満 54.3%、3個以上 45.7%

転移部位
Capivasertib群=肝臓 24.3%、肺 50.0%、骨 41.4%
プラセボ群=肝臓 30.0%、肺 64.3%、骨 40.0%

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はCapivasertib群5.9ヶ月に対してプラセボ群4.2ヶ月、Capivasertib群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを26%(HR:0.74,95%信頼区間:0.50‐1.08,P=0.06)改善した。

また、PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子変異を有する患者群(N=28人,Capivasertib群17人,プラセボ群11人)における無増悪生存期間(PFS)中央値はCapivasertib群9.3ヶ月に対してプラセボ群3.7ヶ月、Capivasertib群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを70%(HR:0.30,95%信頼区間:0.11‐0.79,P=0.01)改善した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はCapivasertib群19.1ヶ月に対してプラセボ群12.6ヶ月、Capivasertib群で死亡(OS)のリスクを39%(HR:0.61,95%信頼区間:0.37‐0.99,P=0.04)改善した。

一方の安全性として、プラセボ群に比べてCapivasertib群で多くの患者に確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は下痢がCapivasertib群13%に対してプラセボ群1%、感染症がCapivasertib群4%に対してプラセボ群1%、好中球減少症がCapivasertib群3%に対してプラセボ群3%、皮膚障害がCapivasertib群4%に対してプラセボ群0%、疲労がCapivasertib群4%に対してプラセボ群0%であった。

以上のThe PAKT試験の結果よりPeter Schmid氏らは以下のように結論を述べている。”トリプルネガティブ乳がん患者に対するファーストライン治療としてのCapivasertib+パクリタキセル併用療法は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を改善しました。特に、PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子変異を有する患者に対してCapivasertibは有用性が高いことが本試験より示されました。”

Capivasertib Plus Paclitaxel Versus Placebo Plus Paclitaxel As First-Line Therapy for Metastatic Triple-Negative Breast Cancer: The PAKT Trial(J Clin Oncol. 2019 Dec 16:JCO1900368. doi: 10.1200/JCO.19.00368.)

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