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未治療の切除不能肝細胞がん患者に対するテセントリク+アバスチン、無増悪生存期間中央値5.6ヶ月を示す

[公開日] 2019.11.07[最終更新日] 2019.11.07

この記事の3つのポイント ・未治療の切除不能肝細胞がん患者を対象とした第1b相試験
・テセントリク+アバスチン併用療法の有効性・安全性を検証
・無増悪生存期間中央値5.6ヶ月を示し、客観的奏効率も良好

2019年9月27日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は未治療の切除不能肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を検証した1b相のGO30140試験(NCT02715531)の解析結果を公表した。

GO30140試験は、未治療の切除不能肝細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてテセントリク1200mg+アバスチン15mg/kg併用療法を投与する群、または3週を1サイクルとしてテセントリク1200mg単剤療法を投与する群などに分け、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性を検証した国際多施設共同オープンラベルの第1b相試験である。なお、本試験のアームAとしてはテセントリク+アバスチン併用療法、アームFとしてはテセントリク+アバスチン併用療法、またはテセントリク単剤療法による治療が実施されている。

本試験が実施された背景として、肝細胞がんは年間約75万人の患者が新規に発症するが、治療選択肢は非常に限られており多くの患者が新たな治療選択肢の確立を求めている。近年、肝細胞がんの原因であるB型肝炎、C型肝炎の治療成績は向上しているが、切除不能肝細胞がんに至っては1年全生存率(OS)50%以下である。以上の背景より、切除不能肝細胞がんの新たな治療選択肢の確立が必要とされており、本治療の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のアームAにおける結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は36%(95%信頼区間:26%–46%)を示し、奏効持続期間(DOR)中央値は12.4ヶ月を示した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は7.3ヶ月(95%信頼区間:5.4–9.9ヶ月)を示した。

また本試験のアームFにおける結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はテセントリク+アバスチン群5.6ヶ月(95%信頼区間:3.6–7.4ヶ月)に対してテセントリク単剤群3.4ヶ月(95%信頼区間:1.9–5.2ヶ月)、テセントリク+アバスチン群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを45%減少した。一方の安全性として、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなく、既存の安全性プロファイルと一致していた。

以上のGO30140試験の結果より、Roche’s Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのSandra Horning氏は以下のようにコメントを述べている。”未治療の切除不能肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬テセントリク+アバスチン併用療法は、無増悪生存期間(PFS)を改善し、良好な客観的奏効率(ORR)を示しました。以上の結果より、本治療は切除不能肝細胞がんの新たな治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

参照元:ロシュ社プレスリリース
ニュース 肝臓がん NCT02715531

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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