切除後の進行性悪性黒色腫患者に対する術後化学療法としてのオプジーボ、ヤーボイに比べて3年無再発生存期間を有意に改善欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)より


  • [公開日]2019.10.30
  • [最終更新日]2020.03.11
この記事の3つのポイント
・切除後の進行性悪性黒色腫患者に対する第3相試験の3年フォローアップ解析
・術後化学療法としてのオプジーボ単剤療法とヤーボイ単剤療法の有効性安全性を検証
・オプジーボ単剤療法は、ヤーボイに比べて無再発生存期間を統計学的有意に改善

2019年9月27日より10月1日まで、スペイン/バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)にて、切除後の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後化学療法としての抗PD-1抗体薬ニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法、抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相CheckMate 238試験(NCT02388906)の3年フォローアップ解析の結果がPerlmutter Cancer CentreのJeffrey S. Weber氏らにより公表された。

CheckMate 238試験とは、切除後の進行性悪性黒色腫患者に対する術後化学療法として2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を4サイクル投与後、12週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を1年間する群(N=453人)、または4週を1サイクルとしてヤーボイ10mg/kg単剤療法を4サイクル投与後、12週を1サイクルとしてヤーボイ10mg/kg単剤療法を1年間する群(N=453人)に分け、主要評価項目として無再発生存期間(RFS)を比較検証した第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値36ヶ月時点における結果、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)はヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で統計学的有意に改善した(HR:0.68, 95%信頼区間:0.56–0.82, P< 0.0001)。また、3年無再発生存率(RFS)はオプジーボ単剤群58%に対してヤーボイ単剤群45%を示した。

サブグループ解析におけるPD-L1発現率別、BRAF遺伝子変異ステータス別の無再発生存期間(RFS)の結果は下記の通りである。PD-L1発現率5%以上の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを43%(HR:0.57, 95%信頼区間:0.39–0.83)、PD-L1発現率5%未満の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを27%(HR:0.73, 95%信頼区間:0.58–0.92)減少した。

BRAF遺伝子変異陽性の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを21%(HR:0.79, 95%信頼区間:0.59–1.06)、BRAF遺伝子変異陰性の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを40%(HR:0.60, 95%信頼区間:0.45–0.80)減少した。

以上のCheckMate 238試験の3年フォローアップ解析の結果より、Jeffrey S. Weber氏らは以下のように結論を述べている。”切除後の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボは、抗CTLA-4抗体薬ヤーボイに比べて無再発生存期間(RFS)を統計学的有意に改善し、その効果はPD-L1発現率、BRAF遺伝子変異ステータスに関わらず確認されました。”

Adjuvant Nivolumab Continues to Provide Superior Recurrence-Free Survival Benefit Over Ipilimumab at 3 Years in Patients with Resected Stage III or IV Melanoma[ESMO 2019 Oncology News]

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