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未治療の進行性悪性黒色腫患者に対するオプジーボ+ヤーボイ、5年全生存率は52%を示す

[公開日] 2019.10.30[最終更新日] 2019.10.30

この記事の3つのポイント ・未治療の進行性悪性黒色腫患者が対象の第3相試験の5年フォローアップ解析
・オプジーボ+ヤーボイの併用療法とオプジーボ単剤療法、ヤーボイ単剤療法の有効性・安全性を検証
・オプジーボ+ヤーボイ併用療法はヤーボイ単剤療法に比べて、5年全生存率は52%と有効性を示した

2019年9月27日より10月1日まで、スペイン/バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)にて、未治療の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-1抗体薬ニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法、オプジーボ単剤療法、ヤーボイ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相CheckMate 067試験(NCT01844505)の5年フォローアップ解析の結果がRoyal Marsden Hospital NHS Foundation TrustのJames Larkin氏らにより公表された。

CheckMate 067試験とは、未治療のステージIII/IV悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg併用療法を4サイクル投与後、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=314人)、または2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=316人)、または3週を1サイクルとしてヤーボイ3mg/kg単剤療法を投与する群に分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値60ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ併用群未到達(95%信頼区間:38.2ヶ月−未到達)、オプジーボ単剤群36.9ヶ月(95%信頼区間:28.2−58.7ヶ月)、ヤーボイ単剤群19.9ヶ月(95%信頼区間:16.8−24.6ヶ月)を示した。また、5年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群52%(95%信頼区間:46%–57%)、オプジーボ単剤群44%(95%信頼区間:39%–50%)、ヤーボイ単剤群26%(95%信頼区間:22%–31%)を示した。

なお、BRAF遺伝子変異の割合としてはオプジーボ+ヤーボイ併用群60%、オプジーボ単剤群30%、ヤーボイ単剤群48%の患者で確認されており、全生存期間(OS)改善効果はBRAF遺伝子変異ステータスに関係なく示されていた。

また、PD-L1発現率別の5年全生存率(OS)は下記の通りである。PD-L1発現率5%以上の患者における5年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群57%、オプジーボ単剤群51%、ヤーボイ単剤群33%。PD-L1発現率5%未満の患者における5年全生存率(OS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群51%、オプジーボ単剤群43%、ヤーボイ単剤群24%を示した。

本試験のフォローアップ期間中央値60ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ併用群11.5ヶ月(95%信頼区間:8.7−19.3ヶ月)、オプジーボ単剤群6.9ヶ月(95%信頼区間:5.1−10.2ヶ月)、ヤーボイ単剤群2.9ヶ月(95%信頼区間:2.8−3.2ヶ月)を示した。また、5年無増悪生存率(PFS)はオプジーボ+ヤーボイ併用群36%(95%信頼区間:31%–42%)、オプジーボ単剤群29%(95%信頼区間:24%–35%)、ヤーボイ単剤群8%(95%信頼区間:5%–12%)を示した。

以上のCheckMate 067試験の5年フォローアップ解析の結果よりJames Larkin氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法は、ヤーボイ単剤療法に比べて全生存期間(OS)をはじめ長期に渡り有効性が確認されました。”

Nivolumab Combined with Ipilimumab or Alone Outperforms Ipilimumab at 5 Years in Advanced Melanoma[ESMO 2019 Oncology News]
ニュース 皮膚がん NCT01844505

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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