・ファーストライン治療としてアレセンサ単剤療法をはじめとしたALK阻害薬の有効性を検証
・リアルワールドデータにおいて無増悪生存期間、治療中止に至るまでの期間、全生存期間を改善
2019年9月27日より10月1日まで、スペイン/バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)にて、未治療のALK陽性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのアレクチニブ(商品名アレセンサ;以下アレセンサ)単剤療法をはじめとしたALK阻害薬の有効性を比較検証した、リアルワールドデータ解析によるレトロスペクティブ試験の結果が公表された。
本試験は、未治療のALK陽性非小細胞肺がん患者(N=420人)に対してファーストライン治療としてアレセンサ単剤療法が投与された群(N=98人)、セリチニブ(商品名ジカディア;以下ジカディア)単剤療法が投与された群(N=4人)、またはクリゾチニブ(商品名ザーコリ;以下ザーコリ)単剤療法が投与された群(N=318人)に分け、無増悪生存期間(PFS)、治療中止に至るまでの期間(TTD)、全生存期間(OS)を比較検証したリアルワールドデータである。
本試験の結果、無増悪生存期間(PFS)中央値はアレセンサ群未到達、ジカディア群5.06ヶ月(95%信頼区間:0.72ヶ月-未到達)、ザーコリ群6.41ヶ月(95%信頼区間:5.92-8.16ヶ月)であった。また、6ヶ月無増悪生存率(PFS)はアレセンサ群83%(95%信頼区間:75-91%)、ジカディア群50%(95%信頼区間:19-100%)、ザーコリ群55%(95%信頼区間:49-60%)。12ヶ月無増悪生存率(PFS)はアレセンサ群68%(95%信頼区間:58-79%) 、ジカディア群25%(95%信頼区間:5-100%)、ザーコリ群36%(95%信頼区間:31-42%)。
全生存期間(OS)中央値はアレセンサ群未到達、ジカディア群6.1ヶ月(95%信頼区間:0.72ヶ月-未到達)、ザーコリ群23.06ヶ月(95%信頼区間:16.51-30.86ヶ月)であった。また、6ヶ月全生存率(OS)はアレセンサ群92%(95%信頼区間:87-98%)、ジカディア群50%(95%信頼区間:19-100%)、ザーコリ群84%(95%信頼区間:79-89%)。12ヶ月全生存率(OS)はアレセンサ群85%(95%信頼区間:77-93%)、ジカディア群25%(95%信頼区間:5-100%)、ザーコリ群65%(95%信頼区間:60-70%)であった。
治療中止に至るまでの期間(TTD)中央値はアレセンサ群未到達、ジカディア群6.1ヶ月(95%信頼区間:0.72ヶ月-未到達)、ザーコリ群7.57ヶ月(95%信頼区間:6.97-9.14ヶ月)であった。また、6ヶ月間で治療中止に至るまでの率(TTD)はアレセンサ群85%(95%信頼区間:78-92%)、ジカディア群50%(95%信頼区間:19-100%)、ザーコリ群73%(95%信頼区間:64-84%)。12ヶ月間で治療中止に至るまでの率(TTD)はアレセンサ群68%(95%信頼区間:58-79%)、ジカディア群25%(95%信頼区間:5-100%)、ザーコリ群36%(95%信頼区間:31-42%)であった。
以上のように、無増悪生存期間(PFS)、治療中止に至るまでの期間(TTD)、全生存期間(OS)においてアレセンサ単剤療法は、ジカディア、ザーコリ単剤療法に比べて良好な治療成績を示した。この結果を受けて、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のChief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentであるSandra Horning氏は以下のようにコメントを述べている。”未治療のALK陽性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのアレセンサ単剤療法は、第3相試験をはじめ複数の臨床試験で確認されている有用性がリアルワールドにおいても示されました。”
参照元:エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社 プレスリリース