・テセントリク+化学療法の有効性・安全性を検証
・無増悪生存期間を統計学的有意に改善
2019年8月5日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は未治療の進行性膀胱がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMvigor130試験(NCT02807636)が主要評価項目を達成したことを公表した。
IMvigor130試験とは、未治療の進行性膀胱がん患者(N=1213人)に対してテセントリク+ゲムシタビン+シスプラチンもしくはカルボプラチン併用療法を投与する群、テセントリク単剤療法を投与する群、またはプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチンもしくはカルボプラチン併用療法を投与する群に分けて、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した多施設共同二重盲検下の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチンもしくはカルボプラチン併用療法群に比べてテセントリク+ゲムシタビン+シスプラチンもしくはカルボプラチン併用療法で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを統計学的有意に改善した。なお、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)のデータは未成熟であるため、継続してフォローアップする必要がある。
一方の安全性として、テセントリク+ゲムシタビン+シスプラチンもしくはカルボプラチン併用療法の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されているものと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)は存在しなかった。
以上のIMvigor130試験の主要評価項目達成の報告を受けて、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのSandra Horning氏は以下のように述べている。”IMvigor130試験は、未治療の進行性膀胱がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬+化学療法の有効性を示した初の大規模試験になります。”