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進行性外性粘液様軟骨肉腫患者に対するパゾパニブ、客観的奏効率18%を示す

[公開日] 2019.08.13[最終更新日] 2019.08.13

この記事の3つのポイント ・進行性外性粘液様軟骨肉腫患者が対象に第2相試験
・パゾパニブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は18%であり、良好な抗腫瘍効果を示した

2019年7月19日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性外性粘液様軟骨肉腫(EMC)患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるパゾパニブ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT02066285)の結果がFondazione IRCCS Istituto Nazionale TumoriのSilvia Stacchiotti氏らにより公表された。

本試験は、進行性外性粘液様軟骨肉腫(EMC)患者(N=26人)に対して1日1回パゾパニブ800mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として臨床的有用率(CBR)、全生存期間(OS)などを検証したシングルアームオープンラベルの第2相試験である。

本試験が実施された背景として、進行性外性粘液様軟骨肉腫(EMC)は殺細胞性抗がん剤に対して応答性が低い。また、後ろ向き試験の結果では血管新生阻害薬の有効性がある可能性が示唆されている。以上の背景より、マルチキナーゼ阻害薬であるパゾパニブの有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の評価可能であった患者22人、フォローアップ期間中央値27ヶ月(18-30ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は18%(95%信頼区間:1%-36%)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧35%(N=9人)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加23%(N=6人)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加19%(N=5人)であった。なお、グレード4以上の治療関連有害事象(TRAE)、治療関連有害事象(TRAE)により死亡は1人の患者も確認されていない。

以上の第2相試験の結果よりSilvia Stacchiotti氏らは以下のように結論を述べている。”進行性外性粘液様軟骨肉腫(EMC)患者に対するマルチキナーゼ阻害薬パゾパニブ単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示しました。そして、アントラサイクリン系抗がん剤治療後に病勢進行した外性粘液様軟骨肉腫(EMC)患者の治療選択肢になり得る可能性が本試験より示唆されました。”

Pazopanib for treatment of advanced extraskeletal myxoid chondrosarcoma: a multicentre, single-arm, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2019 July 19:doi.10.1016/S1470-2045(19)30319-5)
ニュース 肉腫 NCT02066285

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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