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治療歴のある進行性非小細胞肺がん、胃がん、胃食道接合部腺がん、尿路上皮がん患者に対するキイトルーダ+サイラムザ、良好な抗腫瘍効果を示す

[公開日] 2019.08.08[最終更新日] 2019.08.08

この記事の3つのポイント ・進行性非小細胞肺がん、胃がん、胃食道接合部腺がん、尿路上皮がん患者が対象の第1a/b相試験
・キイトルーダ+サイラムザ併用療法の有効性・安全性を検証
・忍容性に問題はなく、良好な抗腫瘍効果を示した

2019年7月10日、医学誌『The Lancet Oncology』にて治療歴のある進行性非小細胞肺がん、胃がん、胃食道接合部腺がん、尿路上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+抗VEGFR-2抗体薬であるラムシルマブ(商品名サイラムザ;以下サイラムザ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1a/b相試験(NCT02443324)の結果がYale Cancer CenterのRoy S Herbst氏らにより公表された。

本試験は、治療歴のある進行性非小細胞肺がん(コーホートC)、胃がん(コーホートA+B)、胃食道接合部腺がん(コーホートA+B)、尿路上皮がん(コーホートD)患者に対して、コーホートA+B群では21日を1サイクルとして1日目にキイトルーダ200mg+1,8日目に8mg/kg併用療法を投与し、コーホートB+C+D群では21日を1サイクルとして1日目にキイトルーダ200mg+1日目に10mg/kg併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、用量制限毒性(DLT)など、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した国際多施設共同非ランダム化の第1a/b相試験である。なお、本試験に登録された92人の患者の内、胃がん、胃食道接合部腺がんで41人、非小細胞肺がんで27人、尿路上皮がんで24人であった。

本試験が実施された背景として、基礎試験にて抗VEGFR-2抗体薬と抗PD-1抗体薬との併用により抗腫瘍効果を高めることが確認されているためである。以上の背景より、臨床試験にて抗PD-1抗体薬キイトルーダ+抗VEGFR-2抗体薬サイラムザの抗腫瘍効果を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値32.8ヶ月(28.1-33.6ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は第1a相段階に登録された11人の患者の内1人の患者でグレード3の腹痛、大腸炎、肝炎、間質性肺疾患、黄疸、グレード4の胆汁うっ滞が確認された。また、1人の患者で死亡が確認されるもその原因は病勢進行(PD)に関連する死亡であった。

また、第1b相段階に登録された81人の患者を加えた時の治療関連有害事象(TRAE)発症率は82%(N=75/92人)を示し、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は疲労36%であった。グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は24%を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧7%、大腸炎5%を示した。

一方の有効性として、客観的奏効率(ORR)は胃がん、胃食道接合部腺がん群では7%(95%信頼区間:1.5%-19.9%)、非小細胞肺がん群では30%(95%信頼区間:13.8%-50.2%)、尿路上皮がん群では13%(95%信頼区間:2.7%-32.4%)を示した。

以上の第1a/b相試験の結果よりRoy S Herbst氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある進行性非小細胞肺がん、胃がん、胃食道接合部腺がん、尿路上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ+抗VEGFR-2抗体薬サイラムザ併用療法は、忍容性に問題がなく、良好な抗腫瘍効果を示しました。”

Ramucirumab plus pembrolizumab in patients with previously treated advanced non-small-cell lung cancer, gastro-oesophageal cancer, or urothelial carcinomas (JVDF): a multicohort, non-randomised, open-label, phase 1a/b trial(The Lancet Oncol. 2019 July 10. doi:10.1016/S1470-2045(19)30458-9)
ニュース 胃がん NCT02443324

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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