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2017年がん診療拠点病院等院内がん登録 全国集計報告書公表国立研究開発法人国立がん研究センター


  • [公開日]2019.08.08
  • [最終更新日]2019.08.08
この記事のポイント
がん診療連携拠点病院等の施設のがん登録数をまとめた集計で、本集計で11回目の報告
・腫瘍情報集計に、新たに胆嚢・喉頭・腎・腎盂尿管を追加
血液がんについて、WHO分類 2017年に基づき詳細な分類集計
・腫瘍情報集計は「院内がん登録 全国集計結果閲覧システム」から閲覧が可能。例えば、がん種・病期別に施設での登録数を検索することができ最寄りの病院を探す手がかりとしての活用が期待される

国立研究開発法人国立がん研究センターは、専門的ながん医療を行う全国のがん診療連携拠点病院等から収集した院内がん情報を用いて、2017 年の1年間に診断された患者の診療情報(2017年全国集計)について報告書をまとめ 、ウェブサイトで公開した。

報告書のポイント

1. 2017年がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計
・がんの種類、進行度(病期、その治療の分布を把握し、国や都道府県のがん対策に役立てること等を目的とし、その基礎資料として院内がん登録のデータを集計(本集計は、2007年 診断例より行っており、今回は 11回目の報告)。 がん診療連携拠点病院等、小児がん拠点病院、都道府県推薦病院、任意で参加を希望された病院、計842施設、1,018,616件のデータを解析した。(2016年診断例収集データ778施設 、962,308件)

・今回の報告では、WHO2017年血液がん分類に基づいて、院内がん登録全国集計としては初めて血液がんの詳細な分類集計を行なった。さらに、 胆嚢、喉頭、腎、腎盂尿管の4部位を新たに加え腫瘍の詳細集計を実施。

2. 院内がん登録全国集計結果閲覧システムを更新
・今回の更新により、従来の施設(自施設初回治療開始例)におけるがん(がん種)別、病期別登録数に加え、治療方法別登録数が閲覧可能となる。自宅近くの病院を探す一つの手がかりとして活用されることが期待される。

2017年がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計

概要

各施設で登録された院内がん情報を用いて、年齢、来院経路、発見経緯、部位別の登録数、さらに詳細な腫瘍情報集計としてがん(がん種)別に病期や治療方法などについて、全体、都道府県別および施設別に集計することで、国や都道府県におけるがん対策と、拠点病院をはじめとするがん診療を担う病院のがん診療の実態把握に活用される。院内がん情報の集計は、がん診療連携拠点病院で2007年診断例より開始し、本集計で11回目の報告となる。

今回の集計では、WHO2017年血液がん分類に基づき、院内がん登録全国集計において 初めて血液がんの詳細集計を実施した。さらに、昨年度公開した院内がん登録全国集計結果閲覧システムで、施設別にがん(がん種 )の病期別登録数が閲覧することに加え、治療方法別登録数の閲覧 ができるようシステムを 更新した。

集計方法

集計対象施設
・1,018,616例 842施設
2018年7月時点のがん診療連携拠点病院等 437施設、小児がん拠点病院 15施設(がん診療連携拠点病院9施設を含む)、都道府県から推薦された343施設、任意で参加した56施設

登録(集計)対象腫瘍
・悪性新生物および上皮内がん、髄膜または脳、脊髄その他中枢神経系に発生した腫瘍の良性および良悪性不詳の腫瘍、消化管間質腫瘍、卵巣の一部の境界悪性腫瘍。
・詳細な腫瘍情報集計(がん種):胃、大腸(結腸がん、直腸がん、肝臓( 肝細胞がん、肝内胆管がん、肺(肺小細胞がん、肺非小細胞がん)、乳房、食道、膵臓、前立腺、子宮頸部、子宮内膜、膀胱、甲状腺(乳頭・濾胞がん、未分化がん、髄様がん、 胆嚢、喉頭、腎、腎盂尿管(前回からの追加部位:胆嚢、喉頭、腎、腎盂尿管)

集計対象例
・2017年1月1日~ 12月31日までの1年間にがんと診断された例

集計のポイント

がん診療連携拠点病院等、小児がん拠点病院、都道府 県推薦病院、任意参加病院を合わせ集計
・がん診療連携拠点病院等、小児がん拠点病院、都道府県推薦病院、任意参加病院を合わせた842施設、1,018,616例について集計を行なった。昨年と比較して集計対象施設が64施設、登録数は 56,308例増加した。

特別集計として、WHO2017年血液がん分類に基づき、初めて血液がんを詳細に集計
自施設初回治療開始例で51,936例の登録があり、これらについて詳細な分類集計を行なった。

胆嚢がん、喉頭がん、腎がん、腎盂尿管がんの詳細集計を追加
院内がん登録全国集計で、初めて胆嚢がん、喉頭がん、腎がん、腎盂尿管がんの詳細集計を行なった。これまでのがん(がん種別)集計と同様に、平均年齢、病期別分布や治療方法別登録数を集計した。

集計結果のポイント

血液がんは、自施設初回治療開始例として登録されていたのは 51,936例 で、平均年齢 は 68.4歳であった。最も登録が多かったのは成熟B細胞腫瘍(例:びまん性大細胞型B細胞リンパ種、濾胞性リンパ腫) 43.6%、 続いて血液細胞(赤血球、血小板、白血球)のもとになる増血幹細胞に異常が起こる 骨髄異形成・骨髄増殖性腫瘍・骨髄異形成症候群 12.6%であった。年齢によって登録分布に違いがみられ 40歳未満では前駆型リンパ球系腫瘍(例:急性リンパ性白血病 (ALL))が最も多く、70歳以上では骨髄異形成・骨髄増殖性腫瘍・骨髄異形成症候群が多い傾向だった。

・施設種別(がん診療連携拠点病院等、都道府県推薦病院、任意参加病院)に集計対象の平均年齢をみると、がん(がん種によって若干の差はあるが、全体として任意参加病院や都道府県推薦病院では、がん診療連携拠点病院等よりも平均年齢が高い傾向にあった 。

・喉頭がんをみると、平均年齢は71.7歳(がん診療連携拠点病院等 71.6歳、都道府県推薦病院72.7歳、任意参加病院73.3歳)であった。 UICC TNM分類治療前ステージ(病期)をみると、I期が39.1%、II期が 20.6%であった。治療方法をみると、 I期では放射線療法のみが62.8%であった。

院内がん登録全国集計結果閲覧システム

・ 院内がん登録全国集計結果閲覧 システム を更新
2016~2017年診断例について、従来の施設別がん(がん種)の病期別登録数に加え、治療方法別登録数が閲覧 できるようシステムを更新した。

・院内がん登録全国集計結果閲覧システムは、施設別(自施設初回治療開始例)にがん種別登録数等の検索が可能なため、自宅近くの病院を探す一つの手がかりに活用されることが期待される 。

・ 掲載サイト:がん情報サービス
 
「がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計 」

「院内がん登録 全国集計 結果閲覧システム(0年集計)」

1.「がん」を選ぶ(オプションで臨床病期別集計値も選択可)
2.「施設」を選ぶ(都道府県を選ぶと、当該 県内施設が表示、検索対象施設へ追加)
3.「集計表示対象」を選ぶ (治療方法をみたい場合は、治療方法にチェックする)
4. 結果表示をクリック


院内がん登録全国集計結果閲覧システムプレビューサイト

・検索項目: 自施設初回治療開始例におけるがん(がん種)別 、施設別、都道府県別、病期別 、治療方法別、年齢階級別、性別登録数(検索可能ながん( がん種 )):胃がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、肝がん(肝細胞がん、肝内胆管がん、肺がん(肺小細胞がん、肺非小細胞がん、乳がん、食道がん、膵臓がん、前立腺がん、膀胱がん、甲状腺がん(乳頭・濾胞がん、未分化がん、髄様がん) 胆嚢がん、喉頭がん、腎がん、腎盂尿管がん)

なお、院内がん登録データの高い数値が良好な治療実績と必ずしも比例しないことを留意したい。

参照:国立がん研究センタープレスリリース

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