・ファーストライン治療としてのTAS-118+オキサリプラチン併用療法の有効性・安全性を検証
・S-1群と比較して、全生存期間を統計学的有意に改善
2019年7月3~6日までスペイン・バルセロナで開催されたthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC 2019)にて、HER2陰性進行性胃がん患者に対するファーストライン治療としてのTAS-118(テガフール・ギメラシル・オテラシル・ホリナート)+オキサリプラチン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のSOLAR試験(NCT02322593)の結果がAsan Medical CenterのYoon-Koo Kang氏らにより公表された。
SOLAR試験とは、HER2陰性進行性胃がん患者(N=711人)に対して2週を1サイクルとして1~7日目に1日2回TAS-118 40~60mg+1日目にオキサリプラチン85mg/m2併用療法を投与する群(N=356人)、または5週を1サイクルとして1~21日目に1日2回S-1 40~60mg+1または8日目ににシスプラチン60mg/m2併用療法を投与する群(N=355人)に分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性などを比較検証したオープンラベルランダム化の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はTAS-118群16.0ヶ月に対してS-1群15.1ヶ月、TAS-118群で死亡(OS)のリスクを17%統計学的有意に改善した(ハザード比:0.83,95%信頼区間:0.69-0.99,P=0.039)。
また、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はTAS-118群7.1ヶ月に対してS-1群6.4ヶ月、TAS-118群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを21%統計学的有意に改善した(ハザード比:0.79,95%信頼区間:0.66-0.93,P=0.005)。客観的奏効率(ORR)はTAS-118群73.5%(95%信頼区間:67.0%-79.3%)に対してS-1群50.0%(95%信頼区間:43.1%-56.9%)。病勢コントロール率(DCR)はTAS-118群93.4%(95%信頼区間:89.1%-96.3%)に対してS-1群88.2%であった(95%信頼区間:83.1%-92.2%)。
一方の安全性として、S-1群に比べてTAS-118群で多くの患者で確認されたT治療関連有害事象(TRAE)はグレード3以上の口内炎3.7%、グレード3以上の下痢9.4%、グレード3以上の末梢神経障害8.5%、グレード3以上の体重減少5.4%であった。なお、治療関連有害事象(TRAE)により治療中止率はTAS-118群5.8%に対してS-1群4.9%であった。
A phase III study of TAS-118 plus oxaliplatin versus S-1 plus cisplatin as first-line chemotherapy in patients with advanced gastric cancer (SOLAR study)(World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019 Abstract #LBA-003)