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RAS野生型転移性大腸がん患者に対する維持療法としてのベクティビックス単剤療法、ベクティビックス+5FU/LV療法に対して10ヶ月無増悪生存率の非劣勢を示せずJAMA Oncologyより


  • [公開日]2019.07.23
  • [最終更新日]2019.08.27
この記事の3つのポイント
・RAS野生型転移性大腸がん患者が対象の第2相試験
・ベクティビックス単剤療法とベクティビックス+5FU/LV療法の有効性安全性を検証
・ベクティビックス単剤療法は10ヶ月無増悪生存率非劣勢を示さず

2019年7月3日、医学誌『JAMA Oncology』にてRAS野生型転移性大腸がん患者に対する維持療法として抗EGFR抗体薬であるパニツムマブ(商品名ベクティビックス;以下ベクティビックス)単剤療法、5FU+ロイコボリン併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のVALENTINO試験(NCT02476045)の結果がUniversity of MilanのFilippo Pietrantonio氏らにより公表された。

本試験は、RAS野生型転移性大腸がん患者に対してファーストライン治療としてベクティビックス+FOLFOX併用療法を8サイクル投与後、維持療法として2週を1サイクルとしてベクティビックス6mg/kg単剤療法を投与する群(N=112人)、または2週を1サイクルとしてベクティビックス6mg/kg+5FU+ロイコボリン併用療法を投与する群(N=117人)に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として10ヶ月無増悪生存率(PFS)を比較検証したオープンラベル多施設共同第2相試験である。

本試験が実施された背景として、RAS野生型転移性大腸がん患者に対するベクティビックス+FOLFOX導入療法後の維持療法としてベクティビックス単剤療法は、ベクティビックス+5FU/LV併用療法に対して非劣勢を示すかどうかを検証する目的で開始された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
ベクティビックス単剤群=62.4歳(64-70歳)
ベクティビックス+5FU/LV群=62.6歳(55-71歳)

性別
ベクティビックス単剤群=男性66%、女性34%
ベクティビックス+5FU/LV=男性67%、女性33%

ECOG Performance Status
ベクティビックス単剤群=スコア0が72%、スコア1が28%
ベクティビックス+5FU/LV群=スコア0が72%、スコア1が28%

転移個数
ベクティビックス単剤群=1個58%、1個以上42%
ベクティビックス+5FU/LV群=1個53%、1個以上47%

腫瘍部位
ベクティビックス単剤群=右側20%、左側80%
ベクティビックス+5FU/LV群=右側16%、左側84%

BRAF遺伝子ステータス
ベクティビックス単剤群=野生型95%、変異型5%
ベクティビックス+5FU/LV群=野生型97%、変異型3%

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。無増悪生存(PFS)イベント169件(ベクティビックス単剤群86件に対してベクティビックス+5FU/LV群83件)発生時点における主要評価項目である10ヶ月無増悪生存率(PFS)はベクティビックス単剤群49.0%(95%信頼区間:40.5%-59.4%)に対してベクティビックス+5FU/LV群59.9%(95%信頼区間:51.5%-69.8%)、ベクティビックス単剤群はベクティビックス+5FU/LV群に対する非劣勢を示すことができなかった(ハザード比:1.51,95%信頼区間:1.11-2.07,P=0.01)。

その他評価項目である全生存期間OS)イベント74件(ベクティビックス単剤群34件に対してベクティビックス+5FU/LV群40件)発生時点における18ヶ月全生存率(OS)はベクティビックス単剤群 62.4%(95%信頼区間:52.3%-74.4%)に対してベクティビックス+5FU/LV群66.4%(95%信頼区間:57.1%-77.2%)、ベクティビックス単剤群で死亡(OS)のリスクが13%増加した(ハザード比:1.13,95%信頼区間:0.71-1.81,P=0.60)。

客観的奏効率ORR)はベクティビックス単剤群67.0%(95%信頼区間:57.4%-75.6%)に対してベクティビックス+5FU/LV群66.7%(95%信頼区間:57.4%-75.1%)を示した(オッズ比:1.07,95%信頼区間:0.61-1.86,P=0.82)。また、病勢コントロール率DCR)はベクティビックス単剤群83.9%(95%信頼区間:75.8%-90.2%)に対してベクティビックス+5FU/LV群82.9%(95%信頼区間:74.8%-89.2%)を示した(オッズ比:1.06,95%信頼区間:0.52-2.15; P=0.87)。

一方の安全性として、グレード3の有害事象(AE)発症率はベクティビックス単剤群20.3%(N=16人)に対してベクティビックス+5FU/LV群42.4%(N=36人)。ベクティビックス単剤群に比べてベクティビックス+5FU/LV群で頻繁に発症した有害事象(AE)は下痢が24.7%に対して10.1%、口内炎が32.9%に対して7.6%を示した。

以上のVALENTINO試験の結果よりFilippo Pietrantonio氏らは以下のように結論を述べている。”RAS野生型転移性大腸がん患者に対する維持療法として抗EGFR抗体薬であるベクティビックス単剤療法は、ベクティビックス+5FU/LV療法に対して10ヶ月無増悪生存率(PFS)の非劣勢を示すことができませんでした。”

Maintenance Therapy With Panitumumab Alone vs Panitumumab Plus Fluorouracil-Leucovorin in Patients With RAS Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer A Phase 2 Randomized Clinical Trial.(JAMA Oncol. 2019 Jul 3. doi: 10.1001/jamaoncol.2019.1467.)

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