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再発難治性慢性リンパ性白血病患者に対するイムブルビカ+ベネトクラクス療法併用、微小残存病変陰性達成率52%を示す欧州血液学会(EHA)より


  • [公開日]2019.07.16
  • [最終更新日]2019.07.12
この記事の3つのポイント
・再発難治性慢性リンパ性白血病患者が対象の第2相試験
・イムブルビカ+ベネトクラクス併用療法有効性安全性を検証
完全奏効率は61%、微小残存病変陰性達成率は52%を示した

2019年6月13日から16日までオランダ・アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA)にて、再発難治性慢性リンパ性白血病(RRCLL)患者に対するBTK阻害薬であるイブルチニブ(商品名イムブルビカ;以下イムブルビカ)+BCL2阻害薬であるベネトクラクス(venetoclax)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のVISION/HOVON141試験(NCT03226301)の結果がUniversity of AmsterdamのArnon Kater氏らにより公表された。

VISION/HOVON141試験とは、再発難治性慢性リンパ性白血病(RRCLL)患者に対して導入療法として28日を1サイクルとして1日1回イムブルビカ420mg(20mg、50mg、100mg、200mg、420mgと漸増)併用療法を2サイクル、その後1日1回イムブルビカ420mg+1日1回ベネトクラクス400mg併用療法を最大15サイクル目まで投与し、その後微小残存病変(MRD)陰性を達成した患者に対して1日1回イムブルビカ420mg単剤療法を投与する群(アームA)、または経過観察をする群(アームB)に分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第2相試験である。

本試験が実施された背景として、再発難治性慢性リンパ性白血病(RRCLL)患者の治療はその応答レベルに関わらず、BTK阻害薬イムブルビカ単剤療法、BCL2阻害薬ベネトクラクス+リツキシマブ併用療法などであり、これら治療法の選択基準は患者背景の違いにより決定されていないため医療経済的デメリットが発生する可能性がある。また、微小残存病変(MRD)により患者の転帰を予測できる可能性が示唆されており、本試験が開始された。

本試験に登録された患者は230人、初回評価可能であった51人の患者背景は下記の通りである。

年齢中央値は67歳(40-83歳)。性別は男性71%(N=36人)に対して女性29%(N=15人)。WHO Performance Statusは
スコア0が65%(N=33人)。遺伝子異常はTP53遺伝子異常が16%(N=8人)IGHV遺伝子変異なしが57%(N=29人)で、腫瘍崩壊症候群(TLS)リスクステータスはhighが29%(N=15人)で、midium=59%(N=30人)。前治療歴中央値は1レジメン(1-3レジメン)だった。

以上の背景を有する患者における本試験の結果は下記の通りである。治療開始9ヶ月時点における完全奏効率(CR)61%(N=31人)、部分奏効率(PR)29%(N=19人)を達成した。末梢血による微小残存病変陰性(uMRD:undetectable Minimal Residual Disease)達成率は9サイクル時点で33%、12サイクル時点で52%を示した。一方の安全性として、グレード2の有害事象(AE)発症率は22%(N=11人)、グレード3の有害事象(AE)発症率は42%(N=21人)、グレード4の有害事象(AE)発症率は24%(N=12人)を示した。

以上のVISION/HOVON141試験の結果よりArnon Kater氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性慢性リンパ性白血病患者に対するBTK阻害薬イムブルビカ+BCL2阻害薬ベネトクラクス併用療法は、完全奏効率(CR)61%、微小残存病変陰性(uMRD)達成率52%を示しました。”

SAFETY ANALYSIS OF VENETOCLAX AND IBRUTINIB FOR PATIENTS WITH RELAPSED/REFRACTORY CHRONIC LYMPHOCYTIC LEUKEMIA (R/R CLL): SECOND INTERIM ANALYSIS FROM THE PHASE II VISION HO141 TRIAL.(2019 EHA,Abstract No:S108)

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